台湾沖縄透かし彫り

沖縄を歩いていると、台湾のことを感じることがあります。とりわけ、石垣島などの八重山地方では、そのまんまの台湾に出会ってしまうこともあります。では、台湾へ行ったらどうでしょう。やはり、沖縄を感じることがあり、かつて石垣島から移り住んでいった人たちと足跡を見付けることもあります。だけどそれは、薄皮を一枚剥いだようなところに隠れていることがほとんどなのです。

 沖縄を歩いていると、台湾のことを感じることがあります。とりわけ、石垣島などの八重山地方では、そのまんまの台湾に出会ってしまうこともあります。では、台湾へ行ったらどうでしょう。やはり、沖縄を感じることがありますし、石垣島の痕跡を見付けることもあります。だけどそれは、薄皮を一枚剥いだようなところに隠れていることがほとんどなのです。深く掘りすぎると、原形をとどめなくなってしまうかもしれませんね。元の姿をとどめつつ、だけど、内側に潜むものもちゃんと見える。そんな透かし彫りの方法で、台湾と沖縄を見ていきましょう。   松田良孝のページ | Facebookページも宣伝

沖縄

台湾映画「太陽の子」

すでにさまざまなところで話題になっている作品ですが、「太陽の子ウィーク」なるものがあるのだそうです。9月10日から19日まで。台湾映画「太陽の子」(原題「太陽的孩子」)は2015年10月に台湾で観ましたが、こんな作品ならいつかまた観てみたいと思ってい…

いつまで「隠れ」てるの?

石垣・八重山・沖縄・日本 台湾のドキュメンタリー映画「海の彼方」で取り上げられた玉木玉代さん(左) =2016年7月24日、石垣市大川の砂川商店で松田良孝撮影 headlines.yahoo.co.jp 「沖縄の台湾移民」という見出しではなく、「石垣の台湾移民」や「八重…

ポーク卵を食べた10分間

印鑑をなくした客 「ことぶき食堂」のポーク卵=那覇市安謝183、松田良孝撮影 沖縄に住むようになって20年も経つと、島の人たちが島の言葉だけでしゃべっているのであれば聞き取れなくても当たり前と受け止められるようになる。何とか聞き取ってやろうと躍起…

李登輝石垣訪問から見えた〝距離〟

「オバマの広島訪問と同じ」 台湾農業者入植者顕頌碑に足を運び、石垣在住の台湾出身者と握手する台湾の李登輝元総統 =2016年7月30日、沖縄県石垣島の名蔵ダムで松田良孝撮影 台湾の李登輝元総統(93)は2016年7月30日、初めて訪れた沖縄県石垣島で名蔵ダム…

台湾発沖縄行きで「北海道」

中華航空のビール 2016年6月28日に台北・桃園空港から利用した那覇行きのCI122便で、空中小姐にお願いして持ってきていただいたビール。こういうビールは日本本土でも買えるのでしょうか。普段、沖縄のビールばかり飲んでいるので、日本本土のビール事情にと…

山本芳美著「イレズミと日本人」(平凡社新書)を読む

どこでもご飯を食べる人たち 台湾を初めて訪れるという知人とともに台湾の高雄から新幹線を利用した時のこと。ちょうど昼飯時だったこともあり、列車の出発を待つ人たちが食事をする光景が駅構内のあちこちでみられたのだが、知人は「ほんとうに、どこでもご…

パインをめぐる八重山と台湾のつながり

八重山に住む台湾人を取り上げたドキュメンタリーフィルム「海的彼端」のウエブにコラムを執筆しました。パインをめぐる八重山と台湾のつながりがテーマです。 日本語の原文をご紹介します。 <八重山のパインアップルは台湾から> 家庭でも職場でも 陽気が…

歩道から伸びてきた人

新印象主義の点描を観る アシール・ロージェ「川辺のプロムナード」(1888年) セザンヌなど印象派とその時代を展観するという美術展「巨匠たちの奇跡」を見て、私の心に最も深い印象を与えたのは新印象主義の作品群である。点描を駆使したその作品から見え…

八重山と水牛

八重山に住む台湾人を取り上げたドキュメンタリーフィルム「海的彼端」の公式サイトにエッセーを書きました。原文(日本語)は後段に貼ってあります。 水牛車で知られる竹富島には2016年6月2日に行ってきたばかり。もちろん、水牛車にも乗りました。水牛=八…

八重山の台湾人が自らについて語るということ

漂流の歴史 米寿の祝いで、曾孫から花を受け取る玉木玉代さん (2015年3月28日、石垣市八島町の「北京飯店」、松田良孝写す) 八重山に暮らす台湾人の長老、玉木玉代さんの米寿のお祝いが2015年3月28日に石垣島で開かれた。玉木さん一家を追った台湾のドキュ…

新宿御苑の台湾閣

設計は台湾総督府の森山松之助 新宿御苑の台湾閣(旧御涼亭、2016年5月22日) 新宿御苑(2016年5月22日) 新宿御苑に台湾閣という建物があると知り、里帰りのついでに足を運んだ。八重山・沖縄と台湾の関係を調べているうちに、こんなところまで来てしまった…

八重山・台湾の新しい風景

6月2日、ツアー開始 石垣島や竹富島と台湾の台北などを八重山台湾ツアーが2016年6月2日に石垣島からスタートするのを前に、ツアーでお世話になる島本哲男さんのマンゴー農園にお邪魔しました。1カ月前に訪れた時にはせいぜい親指の先ぐらいしかなかったマン…

「沖縄籍証明書」を寄贈

幸せ・誇り・名誉 石垣英和さんについて語る妻の良さん(2016年5月17日、石垣市字石垣の自宅で) 2016年1月18日に亡くなった石垣英和さん(享年86)の妻、良さん(82)と話していると、「ミョウガ」という言葉がたびたび出てきます。どう訳したらいいのだろ…

ナッチャン・レラが花蓮から石垣へ

カギは農産物か 石垣港に到着した「ナッチャン・レラ」(2016年5月14日夕) 高速フェリー「ナッチャン・レナ」(1万0712トン、台湾名・麗娜輪)が2016年5月14日夕、台湾の花蓮港から石垣港に到着し、百人規模の訪問団が石垣入りした。ことしは10回程度のチャ…

泳ぐのが寒い

慣れ 5月7日に沖縄本島の公共プールで泳いだ時は気温28度。南風が吹いている日で、天気も良かった。水に入るには最適の陽気で、泳いだ後にビールを飲むなんていう余計なことまでした。 5月11日はいつものように石垣島のプールで泳いだのだけれども、気温は25…

人気健在の泊いゆまち

イセエビ+ウニ 泊いゆまちは久しく足を運んでいなかったが、1年以上のブランクを経て訪れてみると、外国人比率は依然として高い印象だった。 坂下水産というところでは「イセエビウニソース焼き」なるものが売られており、半身で2000円、一尾で3800円という…

安謝の食堂

おばあが隣に腰掛けた とんかつ弁当650円也を食べ終わり、書き物でもしようとノートパソコンを開いていたら、店におばあさんがやってきて隣の席に腰かけた。 「おにいちゃん、ぜんざいもらえる?冷たいの」 自転車が通り過ぎていく わたしのなかには冷たいぜ…

梅雨入りはもう少し先

キノコとアリの巣 いつも体を動かしにいく公園では、芝生にまたキノコが目立ち始めた。湿っぽい日が幾日か続くと、決まってこうなる。アリたちも気の毒なもので、雨で押し流されたのであろう巣を再建中だった。 多雨は常態に 沖縄気象台はことし(2016年)の…

首里駅のアート

1番ホームの「クリスさん」 沖縄都市モノレールの首里駅は何度もお世話になっている場所ですが、よくよく考えてみると、二つあるホームのうち、片側のホームばかりを使っていた。それは2番ホーム。2016年4月23日に訪れた時も2番ホームから降りたのですが…

涼しいのはどっち?

ネコの二段ベッド 蒸し蒸ししているので、梅雨入りしたんじゃないかと思える陽気。与儀公園の機関車のそばで、いつものネコどもがだらけていた。二段ベッドで寝ているのは初めてみた。どちらが涼しいのだろうか。尋ねてみたところ、下のネコはちょっと目を開…

安里の土帝君

同じ場所を二度三度と 旅は、同じ場所を二度三度と訪ねるのが醍醐味だと思っている。「なんども同じ場所に行って、飽きないのか?」と言われることもある。確かに。同じ土地を訪ね、同じような場所を歩いて帰ってきてしまうことがないではない。ただ、こうい…

風を受けたら・・・

薄いビル 左から風を受けたら、そのまま右のほうに進んでいきそうだが、モノレールの牧志駅があるのでひっかかってしまうことだろう。 なんでこんな形になったのか。そばを通るたびに気になってしまう嘉数リースビル。那覇市牧志3丁目に建っている。反対側…

サンゴ礁と鉄筋コンクリート

揺れる道の奥 那覇市寄宮の県立図書館へ行くためのルートになっていることもあって、開南と与儀十字路を結ぶ県道222号はバスでしばしば通っている。この区間は、路線バスの運転手がいちいち「揺れるのでご注意を」と車内アナウンスをしてくれる珍しい区間な…

新参者かもしれない

ライオン顔 触ったら、きっとぬいぐるみのようにモコモコしているのだろうなと思わせる、人が近寄ると爪でひっかくようなしぐさをする、ちょっと行儀の悪いグレーのネコにカメラを向けていたら、やっぱりカメラに爪を掛けられた。ネコたちが金網の向こうにい…

クシティをもう2、3枚

沖縄で酸辣湯麺を食べる パレット久茂地地下1階の中華料理店「月苑坊」で酸辣湯麺。値段は1000円。場所を考えると、こんなところかなと思います。具はどこまで食べても減らない厚みがあって、いつまでもアツアツなのはとろみのあしらいが巧みということなの…

80年の畑

食材探し? 旧知のAさん宅を訪ねた。先客がいて「食材探しですか?」と聞かれた。そりゃそう思うだろうなと納得した。食べられる植物の種類も、食べられるトリの種類も、それほどまでに多い。事実、私はこのとき、6月にやってくる客をもてなす準備のためにA…

「オンライ」とはパイナップルのこと

マニアック? cinemaokinawa.seesaa.net テレビか映画かを問わず、このところ、八重山と台湾の関係をドキュメンタリー作品にする試みが少なくないように思います。人によっては、マニアックなジャンルと片付けてしまうかもしれないこの関係に対して、大きな…

ススキのほうき

主は去れども ちょっとごらんなさいという具合に、ひょいと見せられた。 密で、繊細。 その質感は明々白々。 台湾から石垣島に移住し、山間にある嵩田地区で暮らしていた女性がご自分でつくられたというほうき。ススキの穂を束ねてあります。 2015年4月10日…

桜の季節にネコ

ネコの爪 桜の季節に与儀公園を訪れることができました。 いつものように、機関車のそばまで行ってネコどもにあいさつ。 不愛想な 愛想のないネズミ色のネコが金網の向こうから手を伸ばしてきたので、何かなと思ってそのままカメラを構えていたら、だれあろ…

退役の倉

葉タバコの乾燥施設 平屋が目立つ集落だけに、2階建て相当の高さを持つ三角屋根の倉は目立つといえば目立つ存在だ。来間島に初めて宿を取り、2泊3日の時間を過ごすという経験をしてみて気付いた風景である。 かつては中で薪を燃やし、収穫した葉タバコを乾燥…