台湾沖縄透かし彫り

沖縄を歩いていると、台湾のことを感じることがあります。とりわけ、石垣島などの八重山地方では、そのまんまの台湾に出会ってしまうこともあります。では、台湾へ行ったらどうでしょう。やはり、沖縄を感じることがあり、かつて石垣島から移り住んでいった人たちと足跡を見付けることもあります。だけどそれは、薄皮を一枚剥いだようなところに隠れていることがほとんどなのです。

 沖縄を歩いていると、台湾のことを感じることがあります。とりわけ、石垣島などの八重山地方では、そのまんまの台湾に出会ってしまうこともあります。では、台湾へ行ったらどうでしょう。やはり、沖縄を感じることがありますし、石垣島の痕跡を見付けることもあります。だけどそれは、薄皮を一枚剥いだようなところに隠れていることがほとんどなのです。深く掘りすぎると、原形をとどめなくなってしまうかもしれませんね。元の姿をとどめつつ、だけど、内側に潜むものもちゃんと見える。そんな透かし彫りの方法で、台湾と沖縄を見ていきましょう。   松田良孝のページ | Facebookページも宣伝

石垣

『サルビルサ』に至る1年1カ月

2022年7月に石垣島の知人から送られてきたメールをきっかけに、2023年8月22日の取材につながりました。東京、埼玉、宮城に住む「本」の関係者など5人の方たちを介して、東京都多摩市を訪問し、都立永山高校の図書委員会のみなさんと出会いました。担当の先生…

玉木玉代さんを再考する

清明節で=2015年4月5日、台湾同郷之公墓 玉木玉代さんは2022年4月20日にお亡くなりになりました。 謹んでご冥福をお祈りいたします。 去年9月下旬に玉木玉代さんのところへ行った。玉木さんはいるにはいたが、テレビの前にあるいすに座ったまま眠り…

無色透明で密度の濃ゆい人たち

石垣島生まれで、石垣島在住でもあるTさんは、自身が台湾系であることを今も隠したままだ。知人のなかにはTさんが台湾系であることを知っていたり、覚えていたりする人がいるかもしれないが、それはともかく、自らの出自を語ることはない。先日、約20年ぶ…

土地公の誕生日を祝う 石垣島の土地公廟でハイブリッドに

旧2月2日の2021年3月14日、土地神の一種、土地公の誕生日にちなむ祭祀が石垣島で営まれました。石垣島で執り行われる土地公の祭祀といえば、旧8月15日の土地公祭がよく知られていますが、今年は、石垣島名蔵地区に建立された土地公廟で初めて誕生日の祭祀が…

石垣島の土地公祭に転換点 台湾系の神事が大きな節目 (4)

かつては「ブタ祭り」 40年以上前の「八重山毎日新聞」に土地公祭のことが出ている。1977年9月に報じたもので、この記事には「土地公祭」という表記は見られず、「ブタ祭り」と表記されている。記事には次のように書かれている。 この祭りは、昭和8…

石垣島の土地公祭に転換点 台湾系の神事が大きな節目 (3)

もうひとつの土地公祭 2020年の土地公祭は、新型コロナウイルスの影響で縮小を余儀なくされた以外に、新たな動きがあった。個人の土地公廟を整備する作業が進み、完成に先駆けて神事が行われたのである。 この土地公廟は、石垣島で暮らす台湾2世の王田…

石垣島の土地公祭に転換点 台湾系の神事が大きな節目 (2)

再び「8月15日」へ 土地公祭の開催日は旧暦8月15日だが、2007年からこの日に近い休日に変更されている。台湾系の人たち、とりわけ学校に通う子どもたちが参加しやすいようにとの配慮によるものである。この方法は2019年まで続いたが、2020…

石垣島の土地公祭に転換点 台湾系の神事が大きな節目 (1)

豚を一頭丸まんま供えて神の祈る土地公祭(とちこうさい)は、沖縄県八重山地方に暮らす台湾系の人たちを特徴づける行事だ。石垣島の各地に点在する伝統的な聖地、御嶽(オン)のひとつである名蔵(なぐら)御嶽を会場に借り、旧暦の8月15日に開かれてい…

読書のコーナー

蘇澳から出発! 蒸気機関車のイベント列車

宜蘭線の部分開業から100年を記念して、蒸気機関車が引っ張るイベント列車が運行した 冬山駅 (写真はいずれも2019年6月4日午後、松田良孝撮影) 台湾の北東海岸を走る宜蘭線を蒸気機関車が引っ張るイベント列車が走るというので乗りにいってみました。ただ…

「海がきれい」だけじゃない  沖縄と澎湖は似ています

発泡スチロールを使ったボートに腰掛けてみたところ、ちゃんと乗れた! 馬光市の文光中学からエコクラブのメンバーが参戦 海岸には材料になるものがごみとして大量に漂着しており、必要な部品はすぐに調達できてしまう (写真はいずれも2019年4月14日、台湾…

十六日祭は八重山独特か

沖縄の伝統的な墓参りの風習「十六日祭」に合わせて、 台湾系の人が墓にお供えをするケースも珍しくない =2013年2月25日、沖縄県石垣市の台湾同郷之公墓(松田良孝撮影) みんなで墓参り 沖縄や奄美には旧暦1月16日に墓参りをする「十六日祭」という風習が…

「台湾引き揚げ」が静かなブームに

戦争体験の階層化を越えられるか 戦後、台湾にいた沖縄関係者が引き揚げに関する話し合いに使っていた建物。屋根の一部が崩れている =2017年3月2日午前、台北市南昌路一段 観光客もよく訪れる台北市内の南門市場の裏手に、屋根の一部が崩れ落ちた2階建ての…

翻訳本で沖縄を「自己紹介」(2)

アジア視野に動き出した県産本 県産本ネットワークは台北国際ブックフェアに向けて、あらためて県産本30冊のリストを作成している。たとえば、料理に関する本としてジャンル分けされた4冊(伊是名カエ「okinawa soup」東洋企画、はやかわゆきこ「…

翻訳本で沖縄を「自己紹介」(1)

アジア視野に動き出した県産本 2018年の台北国際ブックフェアに参加した沖縄の県産本関係者ら=2月6日、台北市 okiron.net 那覇市の国際通りに近い第一牧志公設市場の前にある「市場の古本屋 ウララ」という小さな古書店に、外国語の翻訳本を持って台湾から…

228事件と沖縄・八重山

www.nippon.com www.nippon.com 台湾の228事件。 2018年も2月28日の追悼式典に合わせて、沖縄関係者が台湾入りしました。沖縄からはすでに1人が犠牲者として認定を受けていますが、これとは別に与那国出身の2人が認定を求めているところです。今…

在台湾沖縄県人会の会長は石垣島出身

台湾に研修にきた八重山商工高校の生徒たちが在台湾沖縄県人会の黒島真洋会長(前列左2人目)らと会食 前列中央はきいやま商店の3人 =2018年1月26日、台北市内で松田良孝撮影 在台湾沖縄県人会の会長を務めている黒島真洋さんが石垣島出身ということもあり…

間もなく春節です。

台北市の信義区虎林街という通りに、店が建ち並んでいるエリアがあります。春節が近づいているということもあり、少しだけのぞいてきました。 40秒余りの動画です。

南大東島への出稼ぎ体験が絵本になる!?

台湾嘉義県の農村部に位置する大林鎮上林地区から多くの人たちが復帰前の南大東島へ出稼ぎに行っていたことはすでに本ブログで紹介していますが、そのいきさつをテーマにした絵本の制作が進められています。 台湾から南大東島への出稼ぎをテーマにした絵本を…

【動画あり】台湾・南方澳でサバ祭り

台湾北東部の宜蘭県蘇澳鎮にある漁港、南方澳で、サバをPRする祭りがあると聞いて見学してきました。蘇澳鎮は沖縄県石垣市の姉妹都市ということもあり、何度か取材に訪れており、「サバ祭り」の名前もよく目にし、耳にしていましたが、ようやく参観する機会…

空から南西諸島

ほぼ1年ぶりの石垣訪問。帰りの飛行機は左側の窓際で、石垣、宮古、慶良間といった具合にいい景色を楽しませてもらいました。 アイフォンで撮影し、フォトショップでつなぎ合わせてみました。2017年7月27日の撮影です。

石垣と台湾の豊年祭

台湾と沖縄では、「豊年祭」という同じ名前の祭事が行われています。どちらも夏場に行われる伝統行事で、台湾では先住民(原住民)の地域で行われます。2017年夏は幸いにも、両地を訪れることができました。共通点はあるのでしょうか。ネット媒体のnippon.co…

台湾で三線普及の「けんゆう」がサポート

夏川りみのコンサートで切れのあるステージパフォーマンスを披露するKENYU=2017年7月2日夜、台北国際会議センター www.okinawatimes.co.jp 夏川りみのコンサートが1、2日、台北国際会議センターで開かれた。夏川は台湾でも幅広い層から支持されており、高…

八重山PRのステージパフォーマンス

「日本の観光・物産博2017」の特設ステージで中国語の歌を披露する八重山商工高校の出地佑希君。 後ろはミス南十字星の大久奈織さん(左)と八重山商工高校の大島悠莉さん =2017年6月24日午後、台北市内の台北駅で松田良孝撮影 パフォーマンスは「自然と」 …

台湾で沖縄黒糖

お値段高めでも「売れます」 www.okinawatimes.co.jp 5月10日は、残念ながら台湾では「黒糖の日」ではないが、沖縄の黒糖は台湾でも使われているので見過ごせない。台北市内で3カ所に店を出す肉まん店「潮州包子」は3年ほど前から沖縄の黒糖を使った蒸し…

保護者同意で尿検査可能に 薬物防止策に賛否 台湾彰化

若者の薬物汚染防止を呼び掛けた彰化県政府主催のイベント =2017年4月13日、彰化市内(彰化県政府提供) クルーズ船で来沖した台湾人が2017年1月、覚せい剤取締法違反で逮捕されるなど、薬物汚染に絡む台湾と沖縄の関係に関心が集まっているが、台湾でも薬…

サシバが結ぶ縁 台湾の小学生が八重山訪問へ

石垣島と西表島を訪れることになった台湾彰化市の小学生たち=松田良孝撮影 環境学習がきっかけ 渡り鳥のサシバは台湾でもよく知られ、渡りのルートに含まれる沖縄に関心を持った台湾の小学生たちが来月下旬、石垣島や西表島を訪れることになった。石垣市に…

台湾疎開の本

沖縄からやってきた疎開者が暮らしていた建物 =2007年9月2日、台南市佳里区で松田良孝撮影 www.okinawatimes.co.jp 2010年に上梓した拙著「台湾疎開」のことを、版元の南山舎で拙著の担当してくださった大森一也さんが書いてくださっています。2016年3月11…

台湾と沖縄 比較研究の可能性で講演

「台湾と比較した沖縄研究の展望」をテーマに講演する仲地清大阪大学大学院特任教授 =2017年1月24日午後、中央研究院で松田良孝撮影 仲地清大阪大学大学院特任教授は2017年1月24日午後、中央研究院で「台湾と比較した沖縄研究の展望」をテーマに講演し、学…

台湾沖縄県人会長に黒島さん

石垣島出身の39歳 在台湾沖縄県人会の新年会であいさつする新会長の黒島真洋さん(右)。左は前会長の諸喜田伸さん =2017年1月7日午後、台北市中山区の料理店で松田良孝撮影 在台湾沖縄県人会の新年会が2017年1月7日、台北市内の料理店で開かれ、第3代会長…