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台湾沖縄透かし彫り

沖縄を歩いていると、台湾のことを感じることがあります。とりわけ、石垣島などの八重山地方では、そのまんまの台湾に出会ってしまうこともあります。では、台湾へ行ったらどうでしょう。やはり、沖縄を感じることがあり、かつて石垣島から移り住んでいった人たちと足跡を見付けることもあります。だけどそれは、薄皮を一枚剥いだようなところに隠れていることがほとんどなのです。

 沖縄を歩いていると、台湾のことを感じることがあります。とりわけ、石垣島などの八重山地方では、そのまんまの台湾に出会ってしまうこともあります。では、台湾へ行ったらどうでしょう。やはり、沖縄を感じることがありますし、石垣島の痕跡を見付けることもあります。だけどそれは、薄皮を一枚剥いだようなところに隠れていることがほとんどなのです。深く掘りすぎると、原形をとどめなくなってしまうかもしれませんね。元の姿をとどめつつ、だけど、内側に潜むものもちゃんと見える。そんな透かし彫りの方法で、台湾と沖縄を見ていきましょう。   松田良孝のページ | Facebookページも宣伝

カジマヤー

赤ん坊

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 数え97歳の長寿を祝うのがカジマヤーだが、12歳×8=96歳+数え歳の1=97歳である。

 その「カジマヤー」を題名とした写真作品を県立博物館・美術館で観た。沖縄県芸術文化祭の展示会でのことである。最終日の滑り込み。

 人のパーツを円形にくりぬいた丸い写真をいくつもいくつも張り付けてあるその作品を遠目から見ると、丸い写真の色や陰影が巧みに組み合わさって、全体として裸の赤ん坊が泣いているように見えるのです。

頭に三角形

 カジマヤーは、長く生きた年寄りのために、生きているうちに葬式を出してやる儀式だと話す人がいました。カジマヤーのお祝いをするお年寄りの頭にあるのは三角形の飾り物で、それは幽霊が「うらめしやー」といって出てくるときに頭に付けている飾りと形は同じだと言うので、機会のある時にその気になって観察していたら、そのような飾りをしてカジマヤーを祝われているお年寄りが確かにいました。

 カジマヤーは、人が赤ん坊に戻っていくことを象徴していると話す人もいました。だから、祝いの場では、風車(「カジ・マーリ」≒「カジマヤー」)が用意されるのだ、と。

 カジマヤーは人の一生を示すものなのでしょう。人々の写真のパーツを使い、赤ん坊を描き、そこに「カジマヤー」の名を付けた作者のセンスは、97年間を生きた人だけが見ることができる風景を写真の切り張りで描き直す試みなのかもしれない。

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