早朝にワンタン麺
2015年12月の土曜日に台南に到着し、予約してあったホテルへ移動するときに西門市場と大書した古風な建物があるのを目にした。翌日の朝食はホテルに用意されていたが、あえてそちらには行かず、足を向けてみることにした。
日曜日の朝7時半。
時間が時間だったせいか、市場の中はほとんど真っ暗。リアカー付きのオートバイが薄明かりの中で息を潜めていたりするのを見ながら奥へ進むと、「福榮小吃店」という店が開いていた。ワンタン麺70元と魚丸2個(5元×2=10元)、鴨の卵1個(12元)を注文した。
創建百年
建物が老朽化していることは外観からはっきりと分かったが、内部もなかなかのものである。地元の方に聞くと、客足が遠のいているのは事実だとのことで、内部の雰囲気から推して納得のコメントである。これはきっと日本時代に発足した市場に違いないと踏んで調べてみると、情報をきっちりアップしてくださっているブログに行きあたった。
それによると、市場が誕生したのは1905年。台北の西門市場や永楽市場が造られるのよりも3年早いというのは、古都台南の風格か。今の建物がその当時からのものというわけではないだろうが、とにかく100年の歴史を持つエリアなのである。
実は老舗
「福榮小吃店」は名刺に「創業於民国12年」とあった。1923年から続いているということは、このエリアが市場となって18年後に営業をスタートし、すでに90年以上続く老舗ということになる。
私が訪問した時のスケジュールは、8時にはホテルへ戻らなければならないというものだったので、滞在時間は30分にも満たない。もったいないことをしたと思ったが、「また来なさい」というお告げだと勝手に解釈して、次回は本腰を入れて観察してみようと決意。