台湾沖縄透かし彫り

沖縄を歩いていると、台湾のことを感じることがあります。とりわけ、石垣島などの八重山地方では、そのまんまの台湾に出会ってしまうこともあります。では、台湾へ行ったらどうでしょう。やはり、沖縄を感じることがあり、かつて石垣島から移り住んでいった人たちと足跡を見付けることもあります。だけどそれは、薄皮を一枚剥いだようなところに隠れていることがほとんどなのです。

 沖縄を歩いていると、台湾のことを感じることがあります。とりわけ、石垣島などの八重山地方では、そのまんまの台湾に出会ってしまうこともあります。では、台湾へ行ったらどうでしょう。やはり、沖縄を感じることがありますし、石垣島の痕跡を見付けることもあります。だけどそれは、薄皮を一枚剥いだようなところに隠れていることがほとんどなのです。深く掘りすぎると、原形をとどめなくなってしまうかもしれませんね。元の姿をとどめつつ、だけど、内側に潜むものもちゃんと見える。そんな透かし彫りの方法で、台湾と沖縄を見ていきましょう。   松田良孝のページ | Facebookページも宣伝

八重山の台湾人のルーツ・員林(1)

パインの風景

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 八重山台湾親善交流協会彰化県員林鎮で八重山芸能の公演を開催したのは、員林周辺から八重山へわたってきた台湾の人たちが少なくないということがきっかけなのだけれども、そもそも論を言えば、パイナップルが台湾と八重山の仲立ちをしてくれたということである。だから、この公演メンバーとともに員林を訪れた筆者は、員林におけるパインの風景をカメラに収めておきたかった。

夏だから

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 中正路と民生路が交わる辺りに市場があることは事前に把握してあったので、その辺りを歩いてみると、予想通りだった。2013年7月のことである。夏だけあって、パインがあっちにもこっちにも。パパイヤなどほかの青果物と一緒にパインをそのままで売っているところもあったし、切って売っているところもあった。どの店も地元の人たちが買いにきていて、パインがごく当たり前の果物として愛用されていることがうかがえた。

往来はほどほどに賑やか

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 街を歩いていると、バイクや自動車の往来はほどほどに賑やかで、買い物をしている人たちの様子も台北などに比べると穏やかである。人がいっぱいいて殺気立っているところがないのが好ましい。

紙の造形

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 城隍を祀る南壇宮という廟を訪ねたところ、女性たちが紙を折って造形のようにする作業の真っ最中。照れながらも写真を撮らせてくださった。神様に捧げる紙銭を使ってさまざまな形にしていく手業は芸術的で、台湾の寺廟を訪れるときの楽しみの一つだ。それを作っているところに立ち会えるのはさらに楽しい。

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 こういう土地を出て八重山に移り住んできた人たち。員林や彰化が出身地だという石垣在住の台湾人は筆者の知人にも何人かいるので、その土地柄に余計に親しみが湧く。

 このページで紹介した写真を撮影したとき、員林では駅を高架にする工事が行われていたが、員林鎮のホームページによると、高架駅は2014年11月に営業が始まった。鉄路を突っ切るようにして道が行き来するようになったのだから、街の顔も変わり始めていることだろう。2015年12月現在の人口は12万4837人である

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