石垣島・星野のモニュメント
石垣島の移民地区のひとつ、星野地区。
1950年に大宜味村の人々が入植して村をつくったこの集落は国道390号のそばにあるのですが、そこから東へ入っていくと、かつては亜熱帯の密林であったであろう山の斜面にはキビ畑やパイン畑が広がり、さらにその先には「森と水の碑」というものがあります。葉を生やし始めたばかりの若いヒカゲヘゴでも覆うことができそうなほどの小ぶりなモニュメントには、開拓者たちにとって水がいかに大切なものであったかを示す文章がしたためられていました。
全文は次の通りです。
マラリアの地に集落
星野集落は昭和二十五年の入植当時、水源に近いという理由でマラリアの蔓延するファーナン川近くに集落を形成した。
以来、水源の確保は集落の最重要課題として取り組まれた。軍民両政府に何度も陳情した結果、その努力が認められ昭和三十四年に米国民からの心温まる贈り物として弁務官資金四千五百ドルをいただき整備するに至った。
そのことを風化させないために記念碑を建て、感謝の意を表する。
平成二十五年二月吉日 星野自治公民館
リスクは承知で
マラリアにかかるリスクを冒すことになったとしても、いかに水を手に入れるかという点を最優先に考えなければならなかったということなのでしょうか。
「心温まる贈り物」とあるのは1959年に敷設された簡易水道を指しています。
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