台湾沖縄透かし彫り

沖縄を歩いていると、台湾のことを感じることがあります。とりわけ、石垣島などの八重山地方では、そのまんまの台湾に出会ってしまうこともあります。では、台湾へ行ったらどうでしょう。やはり、沖縄を感じることがあり、かつて石垣島から移り住んでいった人たちと足跡を見付けることもあります。だけどそれは、薄皮を一枚剥いだようなところに隠れていることがほとんどなのです。

 沖縄を歩いていると、台湾のことを感じることがあります。とりわけ、石垣島などの八重山地方では、そのまんまの台湾に出会ってしまうこともあります。では、台湾へ行ったらどうでしょう。やはり、沖縄を感じることがありますし、石垣島の痕跡を見付けることもあります。だけどそれは、薄皮を一枚剥いだようなところに隠れていることがほとんどなのです。深く掘りすぎると、原形をとどめなくなってしまうかもしれませんね。元の姿をとどめつつ、だけど、内側に潜むものもちゃんと見える。そんな透かし彫りの方法で、台湾と沖縄を見ていきましょう。   松田良孝のページ | Facebookページも宣伝

台湾風(?)の家

玄関?たたずまい?

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 この建物は、台湾の彰化県員林から来た人が建てたものです。台湾風のおうちというふうに説明を受けたことがありますが、階段とスロープを組み合わせたような玄関がそうなのか、それとも、たたずまいそのものが台湾風なのか。

 古いこともあって、傷みは激しくなっていますが、そのまま残っていてくれてよかった。しばらく訪ねずにいると、そこにあったはずの建物がなくなっていたり、建て替えられていたりということはよくあることですので。

身分証明書も無事

 この建物の主は、1920年生まれ。2011年に90歳で亡くなりました。私が初めてお話をうかがったのは2002年か2003年のことですので、沖縄の本土復帰から30年が過ぎていましたが、琉球政府が発行した身分証明書という貴重な資料をお手元に保管しておられました。このたび(2016年4月3日)の訪問は、この身分証明書の所在を確認したくてのことだったのですが、息子さんが「あったはず。なくしたかな」と言いながら引き出しの奥を探してくださり、無事に探し出してくださいました。

 古いものをやみくもに残せとは言わないけれども、残しておかないとマズイものはある。この家と身分証明書は、私の中ではその代表格のようなもの。