浅野静江さんが一周忌
旧1月16日の旧十六日祭(ジュウルクニチィ)のときにお邪魔した(押しかけた?)石垣島嵩田の浅野さん宅にまたおうかがいした。2015年4月10日に亡くなった台湾・員林ご出身の浅野静江さんの一周忌に、ご遺族がお集まりだとうかがってのことである。
この写真は、二女の彩子さんの夫君でいらっしゃる俊文さんが撮ってくださったもの。石垣島に住んでいる台湾系の方たちには、もうこれ以上ないくらい親しくしていただいていますが、こういう写真は滅多にありません。
静江さんは日本語が不得手で、幼いころから台湾語を身に沁み込ませて生きてこらえたような方。私のほうは、日本語はともかくとして、台湾語はダメ。お訪ねしても、会話らしい会話はなく、だけれども、浅野さんはその接し方で、ゆっくりしていきなさいという気持ちを伝えてくださっていた。お年を召してからはご自宅の真ん中の部屋に腰かけていることが多く、私が辞去するときには、手を振るしぐさでもって「気を付けて。またいらっしゃい」とでも言ってくださっているようだった。
一周忌の集まりに私が混ぜていただけたのは、静江さんが “接着剤”を残してくださったおかげだと思う。石垣島の台湾人コミュニティーでは、台湾での生活経験を持つ人が年々減ってきているため、こんなふうにして台湾生まれの故人を偲ぶ場がますます大切になってくると思う。浅野家のリラックスした雰囲気に接してみて、肩肘を張ることなく、意識しないままに実践する「偲び」の温かさに気づかされた。
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