台湾沖縄透かし彫り

沖縄を歩いていると、台湾のことを感じることがあります。とりわけ、石垣島などの八重山地方では、そのまんまの台湾に出会ってしまうこともあります。では、台湾へ行ったらどうでしょう。やはり、沖縄を感じることがあり、かつて石垣島から移り住んでいった人たちと足跡を見付けることもあります。だけどそれは、薄皮を一枚剥いだようなところに隠れていることがほとんどなのです。

 沖縄を歩いていると、台湾のことを感じることがあります。とりわけ、石垣島などの八重山地方では、そのまんまの台湾に出会ってしまうこともあります。では、台湾へ行ったらどうでしょう。やはり、沖縄を感じることがありますし、石垣島の痕跡を見付けることもあります。だけどそれは、薄皮を一枚剥いだようなところに隠れていることがほとんどなのです。深く掘りすぎると、原形をとどめなくなってしまうかもしれませんね。元の姿をとどめつつ、だけど、内側に潜むものもちゃんと見える。そんな透かし彫りの方法で、台湾と沖縄を見ていきましょう。   松田良孝のページ | Facebookページも宣伝

舞鶴

升酒

 舞鶴から来た人がやっている店が石垣島の美崎町にあって、知人の誘いで足を運んだ。知人は、店の人たちのことを「京都の人です」と私に紹介したものだから、舞鶴が京都府の日本海側に位置するということを意識させられた。日本酒を内地から取り寄せているというので、辛口を頼んだところ、新発田の菊水が升酒で出てきた。升は護衛艦「しらね」の除籍を記念してつくられたもの。「しらね」は舞鶴が母港で、2015年に除籍されたばかりである。升酒は、戦後の引き揚げ港としての舞鶴のことを考えていた私に「今」の舞鶴を思い起こさせた。その時どきの出来事のなかから自分のアンテナにひっかかるものだけに注意を向けがちな性分だが、港町のほうでは往来をずっと見つめ続けていて、意識しないままになっていることにたまに目を向けさせてくれる。

菊水 ふなぐち 一番しぼり 本醸造生原酒 720ML 1本

菊水 ふなぐち 一番しぼり 本醸造生原酒 720ML 1本