台湾沖縄透かし彫り

沖縄を歩いていると、台湾のことを感じることがあります。とりわけ、石垣島などの八重山地方では、そのまんまの台湾に出会ってしまうこともあります。では、台湾へ行ったらどうでしょう。やはり、沖縄を感じることがあり、かつて石垣島から移り住んでいった人たちと足跡を見付けることもあります。だけどそれは、薄皮を一枚剥いだようなところに隠れていることがほとんどなのです。

 沖縄を歩いていると、台湾のことを感じることがあります。とりわけ、石垣島などの八重山地方では、そのまんまの台湾に出会ってしまうこともあります。では、台湾へ行ったらどうでしょう。やはり、沖縄を感じることがありますし、石垣島の痕跡を見付けることもあります。だけどそれは、薄皮を一枚剥いだようなところに隠れていることがほとんどなのです。深く掘りすぎると、原形をとどめなくなってしまうかもしれませんね。元の姿をとどめつつ、だけど、内側に潜むものもちゃんと見える。そんな透かし彫りの方法で、台湾と沖縄を見ていきましょう。   松田良孝のページ | Facebookページも宣伝

姿を消すには8秒あればいい

絵みたいなネコ

f:id:taiwanokinawa:20160505130855j:plain

 プールから戻る途中でいつも前を通っている建物のところで、信号が赤になった。自転車を止めて青信号を待っている間もだるくて、顔の左側に異状を感じて振り向いた。ネコが2匹、ぼやけたような姿をしてなにものかを引っ掻くようなしぐさをしている。窓の外に網が張ってあり、わずかな幅しかない窓ガラスとの隙間に入り込んでいたものだから、ネコを描いた絵がほこりをかぶっているように見えたのだ。実際、ネコどもは私に視線に気づくと、絵の中に入り込んだみたいにぴたりと動きを止めた。見開いた眼に凝視された私が携帯のカメラでシャッターを切ったのが10時51分59秒。そのすぐ後にもうワンカット切ったのだが、ネコどもの姿はなかった。その写真の記録は10時52分07秒。

 姿を消すには8秒あればいいということか。