台湾沖縄透かし彫り

沖縄を歩いていると、台湾のことを感じることがあります。とりわけ、石垣島などの八重山地方では、そのまんまの台湾に出会ってしまうこともあります。では、台湾へ行ったらどうでしょう。やはり、沖縄を感じることがあり、かつて石垣島から移り住んでいった人たちと足跡を見付けることもあります。だけどそれは、薄皮を一枚剥いだようなところに隠れていることがほとんどなのです。

 沖縄を歩いていると、台湾のことを感じることがあります。とりわけ、石垣島などの八重山地方では、そのまんまの台湾に出会ってしまうこともあります。では、台湾へ行ったらどうでしょう。やはり、沖縄を感じることがありますし、石垣島の痕跡を見付けることもあります。だけどそれは、薄皮を一枚剥いだようなところに隠れていることがほとんどなのです。深く掘りすぎると、原形をとどめなくなってしまうかもしれませんね。元の姿をとどめつつ、だけど、内側に潜むものもちゃんと見える。そんな透かし彫りの方法で、台湾と沖縄を見ていきましょう。   松田良孝のページ | Facebookページも宣伝

安謝の食堂

おばあが隣に腰掛けた

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 とんかつ弁当650円也を食べ終わり、書き物でもしようとノートパソコンを開いていたら、店におばあさんがやってきて隣の席に腰かけた。

 「おにいちゃん、ぜんざいもらえる?冷たいの」

自転車が通り過ぎていく

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 わたしのなかには冷たいぜんざいをわざわざ店で頼んで食べるという選択肢はなかったので、おばあさんに声を掛けて写真を撮らせてもらうことにした。レンズの端を自転車に乗ったおじいが通り過ぎていくものだから、早く撮り終えないと溶けてしまうのに、じっくりとシャッターを切った。蒸して暑い那覇市安謝の正午すぎ。13時31分に最高気温29.5度を記録した2016年5月6日の午後である。

壁は水色

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 いや、なに、ぜんざいがなくったって、全然OKな店である。安謝の停留所でバスを降り、高架になっているその場所から階段を降りて左のほうへ行けばすぐのところ。店の壁を水色に塗ってあるので、少し引いた目線で眺めてみればすぐに気が付く。

木目でふわりと

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 もとはパン屋だったというその店は、弁当やサンドイッチを持ち帰り用に販売しており、木目を生かした内装でふわりとした雰囲気を醸し出している店内で食べていってももちろんいい。私は座ってゆっくり店の空気を感じてみたかったので、テーブルを使わせてもらい、厚かましくも写真を撮り、パソコンまで広げてしまった。

 この夏、開店から1周年になるそうだ。お得意さんを獲得するべく、今が成長期の新店舗である。