歩きスマホで行き交う?
首都圏の大学から定期的に観光の調査に来ている先生からのお土産は、かりんとう(きんぴら味)。見るからに外国人向けのこういった商品が、羽田空港で売られているのだそうです。さっそく開けてみると、なるほど確かに、きんぴら味でした。
お土産をいただくためにお会いしたわけではもちろんなく、観光に関する情報についてもうかがいました。今回印象に残ったのはWi-Fiの普及について。Wi-Fiが普及することで、言葉が通じないことに伴うストレスを軽減できるのは事実で、これによって外国人観光客は快適に旅することができるのだけれども、道行く外国人観光客がタブレットで歩きスマホをしながら情報収集に躍起になっているという光景はどうなのだろうかという問題提起でした。
(歩きスマホがいいか悪いかという問題はこの際措いておくとして)
一言もしゃべらずに
「かりんとう」が「KARINTO」、「きんぴら」が「Kinpira」と表記されていれば、読めることは読める。売り場の店員にその意味を尋ねるかどうかは買い手の気持ち次第ということになる。Wi-Fiがあれば、だれかにその商品の写真を送り、「これは何?」と質問すると、だれかから「それはかりんとうというお菓子だよ」という返信が戻ってくるということだってあるだろう。だれとも話さずにこんなことができてしまう。
何が何だか分からないモノを旅先で目にして、あやふやな外国語で地元の人と懸命にコミュニケーションするということも減っていくのか。それこそが知らない土地を訪れるという旅の醍醐味、という考え方はあまり通用しないのかな。