滞在10数分
少しずれた線対称になっていた
台湾新幹線に高雄駅はなく、「新左營」が高雄ということになっているので、何度か来ている。しかし、「新」が付く前に「左營」にはこれまで一度も来たことがなく、今回初めて足を運ぶことができた。
新幹線で新左營に着いたあと、1時間ほどの空き時間を利用してのことだったので満足に見て歩くことはできなかった。新左營と左營は隣り合っている駅で、運賃はわずかに15元なので、まぁ、そのようなものなのだろうと、あまり意味のない意味づけをして自分を納得させた。本当は、近くにある蓮池潭という場所へ足を運んでみるつもりだったのだが、駅前にタクシーが見当たらず、ひょっとすると本来の任務に支障を来すかもしれないと考え直し、滞在時間10分ほどで新左營へ引き揚げたのだ。
小銭がない。やむなく…
列車が通り過ぎていく
なんというのだろう、殺風景と言ってしまってはそこに住んでいる人に申し訳ないのだけれども、殺風景という言葉が最初に頭に浮かんでしまったことは疑いようのない事実で、ここは嘘をついても仕方ない。ただ、言い訳がましくなるかもしれないけれども、それがために、被写体としては申し分のない駅だった。台北を離れて台湾の「いなか」な場所に行くと、街並みも駅もこぎれいになり、切符は人が売らずに自動券売機を利用するようになりとうことがままあるが、左營にはくすんだ雰囲気が残っていて、撮りがいのある駅だった。
自動券売機はあるにはあったが、あいにくと小銭を持ち合わせていなかったことから、窓口に並んでみたのだが、先客が複雑な手続きの真っ最中で、切符を買えないまま待ち続けているうちに列車が入ってくる合図が聞こえ、やむなく、後ろから声を掛けて先に買わせてもらった。そのときはもちろんひやひやした。だけれども、「こんな経験、滅多にないかもしれないな」と思うと、イレギュラーな形で切符を買ったシチュエーションも貴重な経験になるというものである。
小さな旅に「小確幸」
階段
ついでに書いておくと、高雄に来た本来の業務はちゃんとこなし、そのほっとした気分と一緒に新左營から乗った帰りの新幹線のなかでこの文章を書いているところである。ブログにアップするのは自室に帰りついてからになるのだが。