「黄金屋」
「狗便黄金屋」。犬の糞を入れる袋が用意されている
木でできた灯篭のような縦長の箱が道の片隅に置かれていて、「狗便黄金屋」と書かれていた。普段は通らない道を歩いてみようとふらふらしているときに出くわしたもの。新北市永和区正興里でのことである。
散歩中の犬が糞をしてしまったときのために、この「黄金屋」に袋を用意しておき、道に残さずに糞を回収してこの「黄金屋」に入れておくという仕組み。管理人とおぼしき人物の名前が明記されているほか、最高で6000元(20000円近く)の罰金が科せられるという表示がなされている。
ときどき、犬の糞が道にそのままになっているのを見るのは確かだが、ご丁寧に回収箱を用意するというやり方には少々奇異なものを感じて、調べてみた。
台北市には127カ所
「取袋口」から袋を取り、糞を入れてから「狗便投入口」のところに置く
すると、台北市環境保護局がホームページに「狗便清潔箱設置地點」というものを載せていた。
それによると、台北市には犬の糞を回収する「狗便清潔箱」が127カ所に設置されているのだそうだ。HPには環境保護局からのメッセージも書かれている。要約すると、以下のような内容である。
<犬の糞を入れる袋を無料で提供しています。袋を持っていない飼い主はこれで糞を取って回収箱に入れ、犬を飼うマナーを向上させてください。>
狙いはマナーアップ
つまり、糞を入れるための袋を持たずに散歩させている飼い主がまだいるため、そういう飼い主に自分の犬が排泄した糞を取って回収することを体験してもらい、犬を飼うマナーを向上させようという狙いがあるということだ。
気になるのは、回収した糞の行方。堆肥にして、台湾で今流行っている「有機」の野菜栽培に使ってみてもいいのかなと思いはしたものの、それはそれで手間がかかって大変かなと思い直してみた。