注目のエリア
市民向けの農園で畑仕事をする人たち
日本でも目にしたことのあるようなアパレル系のロゴがいかにも控えめな感じで掛かっていたり、カフェの中で女性たちが華やいでいながらも、落ち着いた雰囲気を醸し出していたり。こういう場にすっとなじむことができれば、随分とかっこいいだろうなと思ってしまうような通りなのである。
台北市松山区の富錦街という通りが、オシャレなエリアとして徐々に成長してきているのだという。計画的に都市を設計したらしく、歩道と車道を隔てるように街路樹が続く、台湾では珍しいつくり。少し離れたところに市民向けの農園もあり、畑仕事にいそしんでいる人の姿がみられるので、ほかとはちょっと違う時間と、隔絶されたような空間からなる風変わりな区域である。
「こだわり」がキーワード
さまざまなショップが並ぶ
このエリアで、沖縄の新しいイメージを打ち出す「リ・ブランディング」のイベントがあると聞いて、行ってみた。沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)が台湾の企業とタイアップして実施しているもので、新たな客層の開拓に、富錦街に集まるような人たちをターゲットに選んだわけである。
一言で表現するなら、「こだわり」がキーワードといったところだろうか。
食べ物であれ、ファッションであれ、お仕着せから距離を置き、自分らしさを追い求めていく人たち。旅行だって、きっとそうだ。よく知られたコースではなくて、自分に合ったモノや食べ物、場所を自分で探して歩いていくに違いない。
沖縄の、新しいテイスト
オリジナルの香水をつくり、入れ物の瓶に琉球ガラスの粒を入れる台湾の人たち
=雑貨店「ハヴァ・ナイス479」で
台湾の人たちのテイストが、沖縄の観光を変えていくとまではいかないかもしれない。
台湾の人たちに知られていなかった新しい沖縄のテイストが、台湾の人たちにはすでよく知られる存在になっている沖縄を、台湾の人たちに再認識させることはありうるのではないか。
メーン会場となった雑貨店「ハヴァ・ナイス479」には、台湾の人たちが沖縄で買い集めてきた雑貨や洋服、焼き物などが並び、さながら沖縄系のセレクトショップ。その隣のスペースで、オリジナルの香りをつくり、琉球ガラスの粒を入れた瓶に詰めて持ち帰るワークショップや、沖縄のアーティストが作ったオリジナルの生地でお守りの「サン」をつくるワークショップを開いたりしたのだ。
2016年10月31日から11月27日まで開催。