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台湾沖縄透かし彫り

沖縄を歩いていると、台湾のことを感じることがあります。とりわけ、石垣島などの八重山地方では、そのまんまの台湾に出会ってしまうこともあります。では、台湾へ行ったらどうでしょう。やはり、沖縄を感じることがあり、かつて石垣島から移り住んでいった人たちと足跡を見付けることもあります。だけどそれは、薄皮を一枚剥いだようなところに隠れていることがほとんどなのです。

 沖縄を歩いていると、台湾のことを感じることがあります。とりわけ、石垣島などの八重山地方では、そのまんまの台湾に出会ってしまうこともあります。では、台湾へ行ったらどうでしょう。やはり、沖縄を感じることがありますし、石垣島の痕跡を見付けることもあります。だけどそれは、薄皮を一枚剥いだようなところに隠れていることがほとんどなのです。深く掘りすぎると、原形をとどめなくなってしまうかもしれませんね。元の姿をとどめつつ、だけど、内側に潜むものもちゃんと見える。そんな透かし彫りの方法で、台湾と沖縄を見ていきましょう。   松田良孝のページ | Facebookページも宣伝

春節の台北はほんとうに食うに困るのか?

写真 台湾 食べ物

外では賭け事も

 

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春節を迎えた朝、龍山寺でろうそくに人を灯す人たち

=写真はいずれも2017年1月28日午前に松田良孝撮影。

 

 春節旧正月を迎えた2017年1月28日の朝、台湾の表情を見てみたくて、龍山寺に向かいました。レンタルバイクのYouBikeでMRT龍山寺に着いたのが午前6時半前。小さく圧縮したような人の塊が広場にできていて、覗き込んでみると、「象棋シャンチーと呼ばれる台湾将棋の駒を使った賭け事の真っ最中で、目指す場所に札束を置いたり、そこから札束を取ったりといったことが繰り返されていました。「恭喜発財」というわけで、賭け事もまた旧正月には付き物なのです。

www.y-mainichi.co.jp

 龍山寺では、干支にちなんで設けられた鶏の形をした大きな吉祥物をくぐり抜けてきた人たちが、次々に門の向こうへ吸い込まれていきます。中の混雑ぶりは言うまでもなく、線香やろうそく、供え物を手にした人たちがひしめき合っていました。寺廟で撮影に夢中になっていると、香煙に燻されて燻製になったような気分になるものですが、春節龍山寺でもあらためてそう思いました。

 

食べ物は本当になくなる?

 

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「酸菜麺包」などを売っていた屋台

龍山寺近くの廣州街

 

 龍山寺を出ると、すぐさま何か食べるものがないか探し始めました。

 「台湾では、旧正月になると店が全部閉まる」

 「保存の利く食べ物を買っておいたほうがいいよ」

 こんな話を聞いたことのある読者もいるのではないでしょうか。

 台北市内のビジネス街では休業するコンビニもあると聞かされ、私はさすがに慌てました。最後はコンビニが命綱だと思っていたのですが、念のため、春節前にスーパーで食パンを買って備えることにしました。しかし、それだけで春節の長期休暇を過ごすなんて悲しすぎます。

 結論から言うと、普段から飲食店が立ち並ぶ龍山寺近くの通りには、幸い食べ物の屋台がけっこう出ていました。とりあえず、「酸菜麺包」という味付けした野菜を中に入れた揚げパンのようなものを購入。一個20元ですから、日本円で約70円といったところ。

 そのまま歩いて、観光夜市の老舗といっていい華西街を通ると、台湾ビールの瓶を朝から何本か空にしている人たちがいて親しみを覚えました。途中には、果物などを扱う青果物屋も店を開けていて、これは供え物や贈答用に準備する人がいるということなのではないでしょうか。いかにも縁起のよさそうな赤い飾り付けを結わえた柑橘系の果物も売られています。

 

「朝7時からやってるよ」

 

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春節でも午前7時から営業を始めたという「蔬菜蛋餅」の屋台

=西門町

 

 龍山寺の隣町みたいな位置にある繁華街の西門町に着いたのは午前9時前。観光客らしき人たちがちらほら歩いていて、屋台もいくつか出ています。何人か客が集まっている屋台で売っていたのは、薄皮にもやしや野菜、卵を包んだ「蔬菜蛋餅」というもので、一つ45元(=約150円)。注文のついでに店の人に尋ねてみると、午前7時から営業しているとのことでした。

 

「食い貯め」は必要なし

 

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がらんとした中華路。それでもバスは走っている

 

 台北駅へ向かう途中、目貫通りの中華路に沿って歩いてみると、車が極端に少なくなっていたが、それでもバスは運行していました。台北から地下鉄で4駅のところにある有名な廟、保安宮も大変な賑わいで、出店に人々が集まっていたことは言うまでもありません。ここまできて「食い貯め」は必要ないと判断することができました。

 考えてみれば、旧正月に合わせて寺廟に大勢の人が集まるのだから、そこに食べ物を出す店がないほうがおかしいわけです。あくまで台北の話ですが。

 私が暮らしている郊外の街でも営業している店は意外に多く、取材から戻ってくると、食堂で麺や厚揚げのような料理を頼み、昼飯を済ませることができました。

 ただ、本当に食堂が全部閉まってしまい、食べるのに困ったという事態も、一つの経験としては悪くないのかもしれません。ただ、そんなことは言葉にしないでおこうと思います。口にしてしまうと、本当にその通りのことが起こる―ともいわれる。言霊というやつです。

 ご飯が食べられるということを考えながら過ごした春節の朝でした。

 

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