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台湾沖縄透かし彫り

沖縄を歩いていると、台湾のことを感じることがあります。とりわけ、石垣島などの八重山地方では、そのまんまの台湾に出会ってしまうこともあります。では、台湾へ行ったらどうでしょう。やはり、沖縄を感じることがあり、かつて石垣島から移り住んでいった人たちと足跡を見付けることもあります。だけどそれは、薄皮を一枚剥いだようなところに隠れていることがほとんどなのです。

 沖縄を歩いていると、台湾のことを感じることがあります。とりわけ、石垣島などの八重山地方では、そのまんまの台湾に出会ってしまうこともあります。では、台湾へ行ったらどうでしょう。やはり、沖縄を感じることがありますし、石垣島の痕跡を見付けることもあります。だけどそれは、薄皮を一枚剥いだようなところに隠れていることがほとんどなのです。深く掘りすぎると、原形をとどめなくなってしまうかもしれませんね。元の姿をとどめつつ、だけど、内側に潜むものもちゃんと見える。そんな透かし彫りの方法で、台湾と沖縄を見ていきましょう。   松田良孝のページ | Facebookページも宣伝

台湾の竹で3万年前の航海再現

与那国 乗り物 八重山 台湾 沖縄

台湾から与那国へ 竹のいかだで3万年前の航海、再現なるか

 

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握手する海部陽介代表(左2人目)と張善楠館長

=2017年3月2日午前、台北市内で松田良孝撮影

 

 人類が沖縄を経由して日本列島に到達した航海を再現・検証する国立科学博物館の「3万年前の航海徹底再現プロジェクト」は、台湾の竹を使ったいかだで2019年に台湾から与那国島までの航海を試みることになり、今月下旬に東部の台東でいかだづくりを開始する。昨年7月に与那国島から西表島を目指した草舟に続く取り組み。台湾の国立台湾史前文化博物館(張善楠館長、台東市が共同で取り組むことになり、2日には台北市内で合意書を取り交わした。同プロジェクト代表の海部陽介人類研究部・人類史研究グループ長は「遠い祖先がどうやって沖縄までたどり着いたのか知りたい。(台湾など)この地域のひとびとと協力して解明し、多くの人々とおもしろさをシェアしたい」と話す。

アミ族をモデルに

 人類が日本列島に到達したルートは沖縄、対馬、北海道の3ルートが考えられ、同プロジェクトは沖縄ルートの再現・検証に取り組む。昨年は与那国島で製作した草舟西表島を目指し、海部グループ長は「海流が強く、断念した。航海の難しさを、身をもって思い知った。祖先がどのようにして成功したかを知るのがプロジェクトの目的」と話す。

www.y-mainichi.co.jp

 台湾から与那国への航海に使ういかだは、台湾の先住民族のひとつ、アミ族の竹製のいかだを参考にし、台東地区で伐採した竹で今月下旬から来月にかけて製作。竹を縛る素材には籐を使う。6月上旬には台東で試験航海を予定している。

 同プロジェクトによると、アジア太平洋地域では、外洋で使われていたかもしれない竹製のいかだのデザインについて直接的な証拠がない。このため、今回は竹という素材の可能性を追究し、風や波、海流のある外洋に出るためのいかだを独自に考案することにしている。

 丸木舟で渡った可能性も検証し、18年までの2年間かけて実験・研究した後、19年に台湾から与那国に向けて航海を試みる。

 

「3万年前の沖縄で何かが」

 南西諸島では、直接測定によるものとしては最古となる2万年前の人骨が白保竿根田原洞穴遺跡石垣市で見つかっているほか、サキタリ洞遺跡南城市では2万3000年前の貝製の釣り針が発見されている。海部センター長は「3万年前の沖縄で何かが起こっていたことが分かる。(人類は沖縄へ)台湾から行った可能性がすごく高いと思う。台湾と与那国の間には黒潮があるが、祖先は黒潮を渡るのに成功したことになる。それがどれだけ難しい挑戦だったかはわかっていない」と話す。

 張館長は「人類が日本に渡ったルートのひとつが分かるかもしれない。台湾から沖縄へどのようにして行ったのかという点は興味深く、プロジェクトに台湾がかかわる意義は大きい」と話している。

 

情報を募集

 同プロジェクト事務局は、3万年前の人類がどのように沖縄の島を認識していたのかを検証するため、台湾から沖縄の島が見えるかという点に関する情報の提供を呼び掛けている。問い合わせは同事務局(koukai@kahaku.go.jp)

 

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“東台湾海”クローズアップ

 黄智慧氏(中央研究院民族学研究所助理研究員、文化人類学の話 私は先島や台湾、フィリピンのバタン諸島を含む地域を「東台湾海」と呼んでいるが、人口規模が小さく、文字を持たなかったという理由で見逃されやすいこの地域が、今回の共同研究によってクローズアップされるのではないか。日本と台湾の間の橋渡し役として、沖縄の存在は重要。日本と台湾の国立機関が共同研究を行うことはよろこばしい。政治とは関係なく、科学的な目で台湾を見直すことが大事だ。

 

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