台湾ー与那国航海の準備すすむ
ほぼ完成した竹製のいかだ
=2017年4月13日、台湾・台東市(国立台湾史前文化博物館提供)
6月に試験航海
2019年に台湾から与那国を目指す竹製のいかだがほぼ完成した。国立科学博物館の「3万年前の航海徹底再現プロジェクト」(代表・海部陽介人類研究部・人類史研究グループ長)が台湾の国立台湾史前文化博物館(張善楠館長<チャン・シャンナン>、台東市)と共同で、3月24日から台湾南東部の台東市内で製作してきたもので、6月10、11日には台東近海でテスト航海を行い、黒潮のなかでいかだの性能を試すことにしている。
製作には台湾の先住民族のひとつ、アミ族の工芸家らも参加。台東地区に自生する竹と籐を使い、アミ族の伝統的な製法を参考にしながら、スピードが出るように工夫を加えた。海部グループ長によると、表面の仕上げや、部材として使っている竹の補修などが残っており、完成後は、浮力などを確認して乗船する人数を決める。
同プロジェクトは、2016年に与那国島自生のヒメガマという草を束ねて作った草舟で与那国から西表への航海を試みており、海部グループ長は「草舟とは違う舟ができた。今後、実際に海に浮かべてみることになるが、どうなるか楽しみ」と話す。
台東地区には、約3万年前とされる旧石器時代の長浜遺跡があり、13日には国立台湾史前文化博物館で研究者らが石器について討論会を開き、国立科学博物館の林良博館長や海部グループ長らも出席した。