お値段高めでも「売れます」
5月10日は、残念ながら台湾では「黒糖の日」ではないが、沖縄の黒糖は台湾でも使われているので見過ごせない。台北市内で3カ所に店を出す肉まん店「潮州包子」は3年ほど前から沖縄の黒糖を使った蒸しパン「沖縄饅頭」を販売。店名にもなっている潮州包子(肉まん)が1個20元(約70円)と、販売アイテムのなかで最高値だが、沖縄饅頭はこれに次ぐ1個18元(約65円)。それでも、「よく売れます」と店員。
ほんのりと香り
横断幕に大書された「沖縄」の文字
=2017年4月27日午後、台北市松山区
手のひら大の沖縄饅頭はほんのりと甘い香りを漂わせ、色はしっかりとしたこげ茶色。お味のほうも申し分なく、もちもちとした食感とともにゆるやかな甘みが口に広がる。
南港区の店舗へ買いにきた元教員の林継廷さん(63)は「とてもおいしい」と太鼓判。沖縄を2度旅行した経験もあり、「沖縄のいなかは台湾の50年代と似ていて、懐かしい感じがする」と話した。
大陸で生まれ、台湾で沖縄に出合った味
メニューの左端に「沖縄饅頭 18元」とある。看板商品に次いで高い
=2017年4月28日午後、台北市中正区
店名の「潮州」は中国南部・広東省の都市の名前で、店主の祖父の出身地。孫に当たる店主は台湾生まれ。店が掲げる看板は、中国北部の味でも、台湾の味でもないことをPRし、「広東潮州の味。常連客は日本への土産に買っていく。絶対においしい。うそじゃないよ」と味自慢。自信のラインナップに沖縄の黒糖も一角を占める。