台湾沖縄透かし彫り

沖縄を歩いていると、台湾のことを感じることがあります。とりわけ、石垣島などの八重山地方では、そのまんまの台湾に出会ってしまうこともあります。では、台湾へ行ったらどうでしょう。やはり、沖縄を感じることがあり、かつて石垣島から移り住んでいった人たちと足跡を見付けることもあります。だけどそれは、薄皮を一枚剥いだようなところに隠れていることがほとんどなのです。

 沖縄を歩いていると、台湾のことを感じることがあります。とりわけ、石垣島などの八重山地方では、そのまんまの台湾に出会ってしまうこともあります。では、台湾へ行ったらどうでしょう。やはり、沖縄を感じることがありますし、石垣島の痕跡を見付けることもあります。だけどそれは、薄皮を一枚剥いだようなところに隠れていることがほとんどなのです。深く掘りすぎると、原形をとどめなくなってしまうかもしれませんね。元の姿をとどめつつ、だけど、内側に潜むものもちゃんと見える。そんな透かし彫りの方法で、台湾と沖縄を見ていきましょう。   松田良孝のページ | Facebookページも宣伝

翻訳本で沖縄を「自己紹介」(1)

アジア視野に動き出した県産本

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 2018年の台北国際ブックフェアに参加した沖縄の県産本関係者ら=2月6日、台北市

okiron.net

 

 那覇市国際通りに近い第一牧志公設市場の前にある「市場の古本屋 ウララ」という小さな古書店に、外国語の翻訳本を持って台湾からやってくる観光客がいるそうだ。店主の宇田智子さんがボーダーインクから2013年に出した「那覇の市場で古本屋 ひょっこり始めた〈ウララ〉の日々」の翻訳本だ。宇田さんのこの本は、韓国で2015年、台湾では2016年に相次いで翻訳出版されている。

 沖縄県によると、2017年に来県した観光客は過去最多の939万6200人。このうち、海外からの観光客は254万2200人となり、沖縄に来る観光客の4人に1人以上を占めている。このなかで、最も多いのが台湾の78万7000人で前年比29・6%増。続く韓国は52万3300人で前年を21・3%上回った。

www.okinawatimes.co.jp

 台湾に関して言えば、沖縄は定番の海外旅行先としてすっかり定着してしまい、美しい海とかおいしい食べ物とかいう楽しみ方だけではない「何か」が求められるようになっている。宇田さんの翻訳本は台湾の本好きたちに、沖縄が持つ新しい魅力を伝えるツールになったということだろう。

 台湾において書籍が特別に影響力を持っているとは思わない。列車やバスの中ではスマホの画面にくぎ付けになっている人が圧倒的に多数派で、紙の活字を目で追っている人は日本同様に少なくなってきている。ただ、本に関する風景としては日本と台湾の間に違いがあることは確かだ。台湾では、書店によってはベンチが用意してある場合があり、客たちはそこに座って気になる本を読むことができるようになっている。「立ち読み」ならぬ「座り読みだ」。新書発表会の類も頻繁に開かれ、著者が読者に直接対話する光景が見られる。

 台湾における本の風景を象徴するのは年1回開催の台北国際ブックフェアである。国際的な本の展示会として最大規模を誇るイベントのひとつ。2018年は2月6~11日に開かれ、60か国計684社が参加した。沖縄にとってエポックメーキングだったのは、沖縄県内の出版社など20社余りでつくる沖縄県産本ネットワークが初めてブースを設けたことである。

 県内の出版社は近年、東京など国内のほか、台湾、韓国、中国の出版や翻訳の関係者との間で人脈を築く試みを行っており、沖縄の県産本を東アジア向けにPRするためのリストを作成して2016年11月に50冊をピックアップしている。2017年6月からは、沖縄時事出版が県文化振興会の支援で「県産本を中心とした東アジアへの情報発信」事業を行い、県内の出版関係者が台湾、中国、韓国などに足を運んで翻訳事業の可能性を探るとともに、沖縄で開催のワークショップに招へいして海外展開に向けたアドバイスを受けてきた。 

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