「新年快楽」
少し気が早いかもしれませんが、新年のごあいさつの練習。
台湾なら「新年快樂」。
中国大陸なら「新年快乐」。
どちらも日本語でなら「新年快楽」。
よく知られていることですが、台湾や香港で使われる中国語の漢字は「繁体字」で、中国大陸などで使われる中国語の漢字は「簡体字」。異なる漢字が使われています。
先日、那覇市内のタクシーに乗ったところ、外国人向けの観光案内の電話番号が紹介されていました。表記は英語、中国語、ハングル。中国語には繁体字と簡体字の区別がなされています。
この区別、もはや当たり前になりつつありますが、「台湾も中国も香港も中国語を使っているんだから、表示はひと種類で構わないでしょ」という対応があるのも事実。
同じ那覇市内を走る路線バスの車内で見かけた表示は繁体字と簡体字が混在したものでした。
きっと、他意はないのだと思います。
日本で中国語を勉強しようと思い立った場合、書店に並んでいる辞典の多くは簡体字版。つまり、中国大陸で使われている漢字を使ったもの。私の場合、中国語を習っている先生が台湾人で、台湾師範大が編集した繁体字版の教科書を取り寄せてくださっているので繁体字で勉強していますが、それでも辞書は日本で買ったので書籍タイプのものも電子辞書も簡体字です。HSKも問題文は簡体字なので、どうしても簡体字を学ばなければならなくなる。
だから、表記が簡体字だとしても、その掲示物を作成した人に他意はないのです、おそらく。
しかし、です。
台湾+香港=過半数
沖縄県のまとめに基づいて2014年度に来県した中華圏からの観光客の動向をみると、台湾からの観光客は36万2千人で外国人観光客の36.7%で、香港からは13万7千人(13.9%)、中国からは12万9千人(13.1%)。
人数が多いグループに対しては手厚く、そうでないグループのことは後回しでという発想は誤りで、どのようなグループであれ、等しくもてなすというのがベースにあるべきだとは思う。
考えるべきは、それを前提にしたうえで、どこから手を付けるべきかという点ではないでしょうか。繁体字のグループは台湾+香港=49万9千人(50.7%)で、外国人観光客の過半数なのだから、優先順位は高いということになるはず。
中国大陸からやってくる観光客は二の次になどと言っているわけでもありませんし、数字で冷徹に割り切ることもありませんが、数字と照らし合わせることでモノごとのやり方を見直せることもあるかもしれません。