台湾沖縄透かし彫り

沖縄を歩いていると、台湾のことを感じることがあります。とりわけ、石垣島などの八重山地方では、そのまんまの台湾に出会ってしまうこともあります。では、台湾へ行ったらどうでしょう。やはり、沖縄を感じることがあり、かつて石垣島から移り住んでいった人たちと足跡を見付けることもあります。だけどそれは、薄皮を一枚剥いだようなところに隠れていることがほとんどなのです。

 沖縄を歩いていると、台湾のことを感じることがあります。とりわけ、石垣島などの八重山地方では、そのまんまの台湾に出会ってしまうこともあります。では、台湾へ行ったらどうでしょう。やはり、沖縄を感じることがありますし、石垣島の痕跡を見付けることもあります。だけどそれは、薄皮を一枚剥いだようなところに隠れていることがほとんどなのです。深く掘りすぎると、原形をとどめなくなってしまうかもしれませんね。元の姿をとどめつつ、だけど、内側に潜むものもちゃんと見える。そんな透かし彫りの方法で、台湾と沖縄を見ていきましょう。   松田良孝のページ | Facebookページも宣伝

映画

金瓜石の向こうを歩く

「Mates 夥伴」(2011年) 「仲間がいて、生き延びられた」 日本統治期の台湾で本格的な開発が進んだ台湾の金瓜石で、金鉱の坑夫として働く台湾人の悲哀を描いた台湾映画「無言の丘」(原題「無言的山丘」、1992年、王童監督)には、「琉球から来た…

台湾東海岸歩き

ドキュメンタリー映画「台湾萬歳」(2017年、酒井充子監督)。 台湾でも上映してほしいですね。 www.okinawatimes.co.jp 台湾国際バルーンフェスタ=台東県鹿野郷の鹿野高台 旧台東駅を中心とするエリアを再生して整備された台東鉄道芸術村 台東のマスコット…

「ごはん」がつながったり切れたりする 映画『ママ、ごはんまだ?』を観た

料理がストーリーテラー スクリーンに次々に現れる料理の、どれもおいしそうなこと! 嫁ぎ先の台湾でこしらえ方を覚えた豚足を日本でも作りたくて、商店街の肉屋を訪ねる姿は、ストーリーの展開を追いかけているこちらのほうこそが「どうして豚の足を用意し…

一青妙さんインタビュー

「どこからどう見ても」 ドキュメンタリーが果たしうる現代的な役割などについて語る一青妙さん =2016年10月1日、台北市内の映画館で松田良孝撮影 石垣島に住む台湾人、玉木玉代さん(87)とその家族を追った台湾のドキュメンタリー映画「海の彼方」(黄贏…

日本≒沖縄≒八重山≒石垣

台湾の高校生に「八重山の台湾人」を語る 台中文学館を訪れ、ポーズを決めて写真に収まる若者たち =2016年9月10日午後、台中市で松田良孝撮影 「八重山毎日新聞」の2016年9月19日付9面にドキュメンタリー映画「海の彼方」に関する記事を書きました。台中の…

台湾映画「太陽の子」

すでにさまざまなところで話題になっている作品ですが、「太陽の子ウィーク」なるものがあるのだそうです。9月10日から19日まで。台湾映画「太陽の子」(原題「太陽的孩子」)は2015年10月に台湾で観ましたが、こんな作品ならいつかまた観てみたいと思ってい…

いつまで「隠れ」てるの?

石垣・八重山・沖縄・日本 台湾のドキュメンタリー映画「海の彼方」で取り上げられた玉木玉代さん(左) =2016年7月24日、石垣市大川の砂川商店で松田良孝撮影 headlines.yahoo.co.jp 「沖縄の台湾移民」という見出しではなく、「石垣の台湾移民」や「八重…

八重山の大自然で台北を覆いつくしてみる

面積は互角 人口はけた違い 収穫を控え、穂を垂れる西表島の米(2016年6月4日、松田良孝撮影) 台北が全部森に覆われていたとしたら…… そんな空想の世界をリアルに体験できるのが八重山諸島にある西表島だ。台北市と比較してみよう。 西表島の面積は289.30平…

亜熱帯の森に潜む台湾人の息遣い

西表島の大自然 樹木が絡みついているものの、崩れずに残っているトロッコレールの支柱 (2016年6月3日、西表島の宇多良炭坑跡、松田良孝撮影) 西表島といえば、マングローブ林やイリオモテヤマネコ、カンムリワシなどに代表される亜熱帯の大自然が観光客を…

映画看板講座in台南

夏休みに絵筆を 台南にある映画館「全美戯院」の駐車場。そこにも手書きの看板が。 (2015年12月27日、松田良孝撮影) 手書きの看板を掲げ続けている台南の映画館「全美戯院」のことは、2016年1月11日に紹介したが、その映画館で夏休み期間を使って看板描き…

パインをめぐる八重山と台湾のつながり

八重山に住む台湾人を取り上げたドキュメンタリーフィルム「海的彼端」のウエブにコラムを執筆しました。パインをめぐる八重山と台湾のつながりがテーマです。 日本語の原文をご紹介します。 <八重山のパインアップルは台湾から> 家庭でも職場でも 陽気が…

八重山と水牛

八重山に住む台湾人を取り上げたドキュメンタリーフィルム「海的彼端」の公式サイトにエッセーを書きました。原文(日本語)は後段に貼ってあります。 水牛車で知られる竹富島には2016年6月2日に行ってきたばかり。もちろん、水牛車にも乗りました。水牛=八…

八重山の台湾人が自らについて語るということ

漂流の歴史 米寿の祝いで、曾孫から花を受け取る玉木玉代さん (2015年3月28日、石垣市八島町の「北京飯店」、松田良孝写す) 八重山に暮らす台湾人の長老、玉木玉代さんの米寿のお祝いが2015年3月28日に石垣島で開かれた。玉木さん一家を追った台湾のドキュ…

『スポットライト 世紀のスクープ』を観る

地方紙と地域社会 地方紙と地域社会の距離。 本作の問題提起はこの点から出発する。 主人公は、カトリック教会の暗部を暴く新聞社の特別報道チームである。卓越した「個」の能力とチームに示される明確な方向性でもって世に出た記事は、読者の好評を博すとい…

港をじっくりと

漁船もクルーズ船も 新しいレンズが届いたその日、試し撮りはクルーズ船が入る日に港でと決めていた。離島との間を結ぶ高速船も、漁船も、とにかく船が盛んに行き来する光景はいいものだ。外回りの時間が減ったからということではなく、港に来てじっくりとフ…

「オンライ」とはパイナップルのこと

マニアック? cinemaokinawa.seesaa.net テレビか映画かを問わず、このところ、八重山と台湾の関係をドキュメンタリー作品にする試みが少なくないように思います。人によっては、マニアックなジャンルと片付けてしまうかもしれないこの関係に対して、大きな…

手描きの映画看板

最後の一館は台南に 2015年の台湾映画「我的少女時代」は台北で見てしまったが、せっかくならここで見れば良かったと悔やんだ。台南の映画館、全美戯院(台南市中西區永福路二段187號)のことである。手描きした映画の看板を掛けている映画館というのは、台…

台湾新幹線の雲林駅と彰化駅

台湾新幹線の台湾高速鉄路は2015年12月1日、苗栗と彰化、雲林の3駅を新たに開業させた。 www.thsrc.com.tw これについては2015年11月4日のFB投稿でも触れていたが、その年の暮れ、台南から台北向けに乗っていた高鉄がたまたま彰化と雲林に停車したので、…

パインから見える石垣・沖縄と台湾

ドキュメンタリー映画「はるかなるオンライ山」が11月24日に台湾文化センター(東京虎ノ門)で上映されます。パイナップルを切り口にして八重山・沖縄と台湾の交流描いた作品です。