台湾沖縄透かし彫り

沖縄を歩いていると、台湾のことを感じることがあります。とりわけ、石垣島などの八重山地方では、そのまんまの台湾に出会ってしまうこともあります。では、台湾へ行ったらどうでしょう。やはり、沖縄を感じることがあり、かつて石垣島から移り住んでいった人たちと足跡を見付けることもあります。だけどそれは、薄皮を一枚剥いだようなところに隠れていることがほとんどなのです。

 沖縄を歩いていると、台湾のことを感じることがあります。とりわけ、石垣島などの八重山地方では、そのまんまの台湾に出会ってしまうこともあります。では、台湾へ行ったらどうでしょう。やはり、沖縄を感じることがありますし、石垣島の痕跡を見付けることもあります。だけどそれは、薄皮を一枚剥いだようなところに隠れていることがほとんどなのです。深く掘りすぎると、原形をとどめなくなってしまうかもしれませんね。元の姿をとどめつつ、だけど、内側に潜むものもちゃんと見える。そんな透かし彫りの方法で、台湾と沖縄を見ていきましょう。   松田良孝のページ | Facebookページも宣伝

2016-01-01から1ヶ月間の記事一覧

ふたつの「沖縄人」

小学5年生で台湾へ 2016年1月18日に亡くなった石垣英和さんへの追悼として、英和さんのライフヒストリーに触れておきたい。ご紹介するのは2007年3月に台湾とのかかわりについてお尋ねしたインタビューに基づくものでる。 石垣島字石垣出身の英和さんは石…

問いをはらむ証明書

石垣英和さん、ご逝去 戦後、台湾にいた八重山の人たちはどのようにして故郷に戻ってきたのか。この問いを考えるうえで、とても大切な資料を提供してくださったのが石垣英和さん。植民地統治が終わった直後の台湾で発足した沖縄出身者の組織「台湾沖縄同郷会…

見かけは平行ですが

合わせてしまうわけにもいかない 始めはすぐそばにいるのに、気付いたら、遠く離れてしまっていた。台南にある路地のことである。 一歩か二歩で。いや、そうじゃないな。走っていれば、ひとまたぎだ。 こんなに近寄っているなら、2本を合わせて1本の広い道…

最高の神には最高の供え物

紙銭に1万円超 最高の神格を持つ玉皇上帝を祭る天壇の近所だけあって、売られている紙銭も凝っている。この写真の手前にあるのが4000元(約1万4000円)。天壇に実際に供えてあるのを確認することができた。向こう側に並んでいるのはさらに高価で5000元。約…

石垣島からの疎開・員林(3)

疎開先を転々 石垣島の中心市街地出身のUさん(1934年生)は、台湾に疎開した後、次々に疎開先を変えていったという経験の持ち主である。アジア太平洋戦争末期に、八重山など沖縄の各地に向けて行われた疎開では、最初に腰を落ち着けた疎開先から別の場所へ…

こっちも選挙

蘇澳グルメコンテスト 2016年1月16日に台湾総統選は終わったが、こちらでは現在も「投票」が続いている。 石垣市の姉妹都市、蘇澳鎮がグルメコンテストを実施中だ。人気投票と専門家の評価によって屋台(小吃)やレストランの上位5軒をランキングする取り…

八重山の台湾人のルーツ・員林(1)

パインの風景 八重山台湾親善交流協会が彰化県員林鎮で八重山芸能の公演を開催したのは、員林周辺から八重山へわたってきた台湾の人たちが少なくないということがきっかけなのだけれども、そもそも論を言えば、パイナップルが台湾と八重山の仲立ちをしてくれ…

硬券の駅

台北まで104元 5年以上前のことなので、今はどうなっているか分からないが、筆者が宜蘭県頭城鎮の大溪駅で切符を買ったときは硬券だった(2009年9月7日)。台北まで104元。 アナログは好ましい。 2015年10月に雲林県を訪れ、斗南駅で荷物を預けた…

水餃子を食わされる

おどおどと 台湾で飲食店にいくと、店員さんの押しに負けて、言いなりになってしまうというのが筆者の欠点である。おどおどせずに、知っている単語を並べてみれば、相手もちゃんと聞いてくれる。そうと分かっていても、ダメなのである。 いそいそと MRT雙連…

ショウガ山盛り

100グラム17円 生姜が山盛りになっているところを撮ってみた。「薑 1斤29」というのは、600グラムが29元ということだから、100グラムなら17円。たぶん安いのだろう。ショウガは大の苦手だが、台湾へ通うようになって少しずつ慣れてきている。そうならざる…

アウトプットとインプット

お出迎え 桃園空港に到着した後、台湾のWi-Fiの手続きをして、すぐに台湾新幹線に乗り継ぎがなければならず、そんなに時間はなかったのだけれども、大好きな洪易の作品がお出迎えとあっては素通りすることはできない。 観光案内所の隣には牛が立っている。 …

手描きの映画看板

最後の一館は台南に 2015年の台湾映画「我的少女時代」は台北で見てしまったが、せっかくならここで見れば良かったと悔やんだ。台南の映画館、全美戯院(台南市中西區永福路二段187號)のことである。手描きした映画の看板を掛けている映画館というのは、台…

台南の西門市場

早朝にワンタン麺 2015年12月の土曜日に台南に到着し、予約してあったホテルへ移動するときに西門市場と大書した古風な建物があるのを目にした。翌日の朝食はホテルに用意されていたが、あえてそちらには行かず、足を向けてみることにした。 日曜日の朝7時…

ネコの続報の続報

常連たち いつもの駐車場にいつものネコども。 何かを待ち構えている様子。 レンズに向かってニャーと鳴いてみたり。 曇り空。 少しだけ暖かくなった。 自転車を漕いでいく小学生は半袖短パンだ。 taiwanokinawa.hatenablog.com

台湾新幹線の雲林駅と彰化駅

台湾新幹線の台湾高速鉄路は2015年12月1日、苗栗と彰化、雲林の3駅を新たに開業させた。 www.thsrc.com.tw これについては2015年11月4日のFB投稿でも触れていたが、その年の暮れ、台南から台北向けに乗っていた高鉄がたまたま彰化と雲林に停車したので、…

台湾北部で魚が「4分の1」に

水産資源が急減 tw.news.yahoo.com 台湾北部の海域でこの30年間に魚の種類が4分の1に激減したというニュースが報じられた。台湾のネットニュース「聯合新聞網」が2016年1月3日、基隆発のニュースとしてアップした。ニュースは専門家のコメントとして「台…

安本千夏著「島の手仕事」(南山舎)に沖縄タイムス出版文化賞

春から縁起がいい 安本千夏さんのご著書「島の手仕事」(南山舎)が第36回沖縄タイムス出版文化賞を獲得することが決まった。2016年1月6日付の「沖縄タイムス」が1面の社告で公表した。ご著書の件は2015年11月5日にFBにアップしていたが、「これはいける…

Wi-Fi環境の喫茶店(那覇市久茂地)

チョコがセットで652円 八重山商工高校野球部が2005年に春夏連続で甲子園出場を果たした時、その練習会場へ行こうとしてカメラを担いで尼崎を歩いていた時、甘い香りが漂うエリアがあった。大きな建物のある敷地に行きついたところ、「エーデルワイス」…

原稿が進んだ

水先案内 少しだけ原稿を書きたいなと思ってアーケード街を歩いていたら、かなり遠くから鳥の鳴き声が響いていて、いったいなんだと思って近づいていってみると、喫茶店があった。ピーピーと甲高い声で鳴き続けているその白い鳥の名前を店の方にうかがうと、…

タマネギの丸焼き

瑞々しさを封じ込める 料理人の目の前にあるカウンター席に座ることができたおかげで、注文のメニューをつくりあげていく手さばきを拝見することができた。見ているうちに食べてみたくなって注文したのはタマネギの丸焼き。タマネギを一つ丸ごとローストして…

林百貨がリニューアル(3)

ファッションビル 台南の林百貨を舞台にした舞台「昭和摩登 府城恋歌」が2011年7月に台南市内の映画館「全美戯院」で行われていた。YouTubeでその宣伝を見てみると、「化粧をして、パーマネントにした髪でエレベーターに乗るのが当時の女性たちの流行だった…

林百貨がリニューアル(2)

八重山関係者が暮らす 筆者が林百貨を意識するようになったのは、日本が台湾を統治していたころ、この近くに八重山関係者が暮らしていたということが大きい。 林百貨のすぐ南側の十字路には石垣島出身の産婦人科医、玻座真里芳(はざま・りほう)がハザマ医…

林百貨がリニューアル(1)

数え年 ↑2011年7月 ↑2007年9月 台南にある林百貨がリニューアルしたと聞き、わくわくしながら行ってみた。なにせ、植民地台湾で台北の菊元と並び称されたデパートである。2011年7月に訪れたときは、建物の外側を覆うように足場が組まれていたので、何かある…