台湾沖縄透かし彫り

沖縄を歩いていると、台湾のことを感じることがあります。とりわけ、石垣島などの八重山地方では、そのまんまの台湾に出会ってしまうこともあります。では、台湾へ行ったらどうでしょう。やはり、沖縄を感じることがあり、かつて石垣島から移り住んでいった人たちと足跡を見付けることもあります。だけどそれは、薄皮を一枚剥いだようなところに隠れていることがほとんどなのです。

 沖縄を歩いていると、台湾のことを感じることがあります。とりわけ、石垣島などの八重山地方では、そのまんまの台湾に出会ってしまうこともあります。では、台湾へ行ったらどうでしょう。やはり、沖縄を感じることがありますし、石垣島の痕跡を見付けることもあります。だけどそれは、薄皮を一枚剥いだようなところに隠れていることがほとんどなのです。深く掘りすぎると、原形をとどめなくなってしまうかもしれませんね。元の姿をとどめつつ、だけど、内側に潜むものもちゃんと見える。そんな透かし彫りの方法で、台湾と沖縄を見ていきましょう。   松田良孝のページ | Facebookページも宣伝

アウトプットとインプット

お出迎え

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 桃園空港に到着した後、台湾のWi-Fiの手続きをして、すぐに台湾新幹線に乗り継ぎがなければならず、そんなに時間はなかったのだけれども、大好きな洪易の作品がお出迎えとあっては素通りすることはできない。

 観光案内所の隣には牛が立っている。

装置

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 それにしても、この立体「観」と色彩感覚はなんなんだろう。作者自身がいろんなものを見てきたということなのだろうか。小説家の東山彰良がインタビューに答えて、アウトプットのみならず「絶えずインプットする作業もしていないと、自分のなかのアイディア源泉が枯渇してしまいます」と言っていた日本航空機内誌「SKYWARD」2016年1月号)。洪易のなかにはどんなものが蓄積されていて、それを作品に導いていく装置はどうなっているのだろうか。

 台湾新幹線の桃園駅へ向かうバスの乗り場へ歩いていくと、今度は「旺旺弟」という作品が待ち構えていた。空港でよく使われるカートが乳母車みたいになっていた。