1番ホームの「クリスさん」
沖縄都市モノレールの首里駅は何度もお世話になっている場所ですが、よくよく考えてみると、二つあるホームのうち、片側のホームばかりを使っていた。それは2番ホーム。2016年4月23日に訪れた時も2番ホームから降りたのですが、1番ホームも使われていたので、行ってみた。見慣れた光景であるはずなのに、ちょっとした違和感を覚えたのは、普段使っていないからというのが理由ではない。そこに全裸の男のアート「クリスさん」が立っていて、2番ホームに止まった2両編成のモノレールを眺めていたからだ。
芸大がコラボ
首里駅で行われていたアートイベントの一コマ。第8回沖縄国際映画祭(2016年4月21―24日)に沖縄県立芸術大学学生有志がコラボしたものらしい。
1番ホームに立っていた「クリスさん」は彫刻専攻の石川清也さんの作品(FRP)。
素材の説明には「自毛 シリコン」とある作品もあった。ご自分の毛を使っているということらしい。1番ホームに至る階段の上り口辺りに動物が人のように腰かけてうなだれている「self componet」(彫刻専攻・堀本達矢)。
彫刻専攻の稲嶺春菜さんは「食べる・食べられる」というテーマでステンレススチールを使った「鶏」「蛸」「魚」の3種類。私が気に入ったのは「蛸」なのだが、なぜそこに目が行ったかというと、それがミナミコメツキガニに似ていたからである。
普段は何もないのに
普段はほとんど使われない首里駅の1番ホームとそこに続く階段手前のスペースに学生の作品を展示しており、空間の有効活用にもなっている。私は駅に着いたらすぐに用務先へ歩くつもりだったのだが、つい足を止めてしまった。常から何か展示が行われていたら立ち止まらなかったかもしれない。普段何もないはずの場所にいきなり何かが在るということそのものに面白味を感じていたようだ、どうやら私は。
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