台湾沖縄透かし彫り

沖縄を歩いていると、台湾のことを感じることがあります。とりわけ、石垣島などの八重山地方では、そのまんまの台湾に出会ってしまうこともあります。では、台湾へ行ったらどうでしょう。やはり、沖縄を感じることがあり、かつて石垣島から移り住んでいった人たちと足跡を見付けることもあります。だけどそれは、薄皮を一枚剥いだようなところに隠れていることがほとんどなのです。

 沖縄を歩いていると、台湾のことを感じることがあります。とりわけ、石垣島などの八重山地方では、そのまんまの台湾に出会ってしまうこともあります。では、台湾へ行ったらどうでしょう。やはり、沖縄を感じることがありますし、石垣島の痕跡を見付けることもあります。だけどそれは、薄皮を一枚剥いだようなところに隠れていることがほとんどなのです。深く掘りすぎると、原形をとどめなくなってしまうかもしれませんね。元の姿をとどめつつ、だけど、内側に潜むものもちゃんと見える。そんな透かし彫りの方法で、台湾と沖縄を見ていきましょう。   松田良孝のページ | Facebookページも宣伝

道が譲る

往来が樹を避けて通る

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 高校生のころ、不承不承ながらも耐えることができた満員電車に対応できなくなり、先日の里帰りでは降りるべき駅で降りられないという失態を演じてしまった。都内をすいすいと歩けるだけの慣れが失われているので、出かけるときには交通手段や経路を念入りに調べるようになった。面倒なことではあるけれども、余裕をもって動こうとするようになったのは悪いことではない。それが奏功して、切ってはならない樹をそのまま残すために道路を二股に分けて整備したという場所を訪れることができた。

 世田谷区下馬5丁目にある「葦毛塚」。往来が樹を挟んで左右を通っている。

 珍しいなと思いはしたが、考えてみれば、井戸を埋めずにそのままの場所に置いておき、人や車はそれを避けていくということは私が住んでいる島であれば珍しくない。実際、うちから歩いてすぐのところにもある。

 道はまっすぐであればよいというわけではなく、何者のためかはともかくとして、道のほうが譲って、遠回りさせるのがいい場合もあるのだ。