発泡スチロールを使ったボートに腰掛けてみたところ、ちゃんと乗れた!
馬光市の文光中学からエコクラブのメンバーが参戦
海岸には材料になるものがごみとして大量に漂着しており、必要な部品はすぐに調達できてしまう
(写真はいずれも2019年4月14日、台湾澎湖諸島の白沙郷で松田良孝撮影)
深刻なことを深刻な顔をして考えることはだれにでもできるけれども、笑いながら楽しくというのは意外と難しくないですか? 4月中旬、台湾の澎湖諸島で環境問題をテーマに開かれたイベントは、ちょうどそんな感じがするものでした。海の向こうから押し寄せるごみから材料を探し出し、ボートにしてしまおうというのです。
澎湖諸島とは、いったいどんなところなのでしょうか。
たとえば、わたくしの場合、SKE48というグループにはあいにく興味はないのですが、このSKE48の「意外にマンゴー」という楽曲のミュージックビデオ(MV)が台湾の澎湖で撮影されたことは知っています。このMVを見た人なら、彼女たちが海辺で歌いながら踊っているシーンを覚えているかもしれませんが、それは吉貝沙尾という澎湖を代表する美しい白浜で撮ったものなのです。
それなのに、海にごみ?
そうなのです。季節風の影響を受けやすいか受けにくいかによって、海岸の様子は全然違います。北東に面した海岸は、海外漂着ごみがおびただしい量!
この環境問題はよその国の話とばかりはいえません。
澎湖で海洋の環境問題に取り組むO2Lab海漂実験室の唐采伶(タン・ツァイ・リン)さんは、海岸漂着ごみに関する交流事業で沖縄を訪れ、「澎湖と似ていると思った」と思ったそうです。
観光地として美しい海がよく知られているのだけれども、海外漂着ごみの問題が深刻という点というコントラストがよく似ているというのです。
イベントでは、この海岸漂着ごみを使ってボートをつくりました。ごみから誕生したボートは18艇。イベントの様子を紹介します。
「熱青年show 吧」チームの若者たち
漂着ごみの中から1000本のペットボトルを集め、漁網で包んでボートにした
ボートづくりの様子は撮影して番組にし、インターネットで動画配信した
===
===
参加者のために用意された弁当は、ホタルイカや干したカリフラワーなど地元の食材がたっぷり
容器にリユースできるお椀を使っている
ハンカチは、海辺に生えるギンネムで染めたもので、これは持ち帰ることができる
1個150元
===
===
海岸に流れ着いたごみから、ボートの材料を運び出す中学生たち
馬公市の文光中学エコクラブのメンバーが出場していました
いくら抜き出しても片付きそうにないくらいの漂着ごみが広がっています
===
大型の発泡スチロールを組み合わせたボートは「龍」のイメージ
発泡スチロールは細かくなって散らばりやすく、多孔性で有害物質を吸着しやすい
===
ペットボトルを使ったボートは何艇も目に付きました
このボートは、沈みかけているように見えますが、ちゃんと前に進んでいるんです
木の枠にくくりつけたペットボトルで浮力を得る構造です
===
台中から澎湖へ研修にやってきた逢甲大学の大学生が地元の環境団体「海漂實驗室」とコラボ
研修ではもともとイベントに参加する予定はなかったが、海漂實驗室の勧めで予定を変更して参加しました
大学生たちはお昼前にペットボトルのボートを作り終えると、帰りの飛行機に乗るために空港へ
仕上げの作業は海漂實驗室が引き継ぎ、きっちり海に浮かべました
===