台湾沖縄透かし彫り

沖縄を歩いていると、台湾のことを感じることがあります。とりわけ、石垣島などの八重山地方では、そのまんまの台湾に出会ってしまうこともあります。では、台湾へ行ったらどうでしょう。やはり、沖縄を感じることがあり、かつて石垣島から移り住んでいった人たちと足跡を見付けることもあります。だけどそれは、薄皮を一枚剥いだようなところに隠れていることがほとんどなのです。

 沖縄を歩いていると、台湾のことを感じることがあります。とりわけ、石垣島などの八重山地方では、そのまんまの台湾に出会ってしまうこともあります。では、台湾へ行ったらどうでしょう。やはり、沖縄を感じることがありますし、石垣島の痕跡を見付けることもあります。だけどそれは、薄皮を一枚剥いだようなところに隠れていることがほとんどなのです。深く掘りすぎると、原形をとどめなくなってしまうかもしれませんね。元の姿をとどめつつ、だけど、内側に潜むものもちゃんと見える。そんな透かし彫りの方法で、台湾と沖縄を見ていきましょう。   松田良孝のページ | Facebookページも宣伝

台北地下街って、どんなの場所?

台湾を深く知りたければ・・・

 

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 ゲームやアニメ、フィギュアなどを扱うフリマ=2018年7月7日、台北地下街

 

 台湾向けにも積極的に展開する沖縄の商社、新垣通商(本社那覇市、新垣旬子代表取締役社長)が2017年6月にアンテナショップ「日本情報発信館」(E∞JAPAN)をオープンさせたのは台北地下街の一角です。台北地下街というのはどんなのところなのでしょうか。全長800メートル超のショッピングモールを歩いてみると、マニアックで濃ゆい雰囲気に溢れていることは分かります。「台湾の今」を感じさせる風景も。熱射も雨も気にすることなく、台湾を深く知ることができる場所なのです。

www.okinawatimes.co.jp

 台北地下街は、台北駅の北鄰にあり、全長は東西825メートル。日本情報発信館はその東端にあり、桃園国際空港との間を結ぶ新しいMRT新交通システム、2017年2月開業)台北駅にも近い。以上は旅行ガイド的な基本情報です。

 

マニアックで、濃ゆい

 歩いてみると、客層は基本的に老若男女を選ばないことが分かりますが、ゲームやアニメ、フィギュアなどを扱う店の密度が高いことに気付きます。日本のポップカルチュアに心酔していそうな若い子たちが集まっているのです。

 筆者が「日本情報発信館」を取材した2018年7月7日は、こうした系のフリマが開かれていました。週末にぶつけて開催したということなのか、ワゴンに向かって次々に手が伸び、品物をのぞき込む眼がすべて皿のよう。売り手の年齢層が、平均的にみると、客の年齢層とほとんど同じかちょっと上という点にも留意しておきましょう。同世代のニーズをつかむことで生計を立て、ここで蓄えたノウハウと資金を次のステップに生かすという狙いなのでしょうか。

 

存在感強める東南アジア

 もうひとつ、台北地下街で存在感を示しているのは東南アジアの人たちです。インドネシア系やベトナム系の食堂はもちろん、東南アジアの産品を扱うスーパーもあります。台湾では、地方都市を中心に、東南アジアからやってきた人たちが働き手としてはもちろんのこと、まとまったスケールの消費者としても地位を確立していることが珍しくありません。台北地下街は、首都台北でも東南アジアの人たちが根を下ろし、その存在空間を確実に広げていることをはっきりと印象付けるエリアなのです。