台湾沖縄透かし彫り

沖縄を歩いていると、台湾のことを感じることがあります。とりわけ、石垣島などの八重山地方では、そのまんまの台湾に出会ってしまうこともあります。では、台湾へ行ったらどうでしょう。やはり、沖縄を感じることがあり、かつて石垣島から移り住んでいった人たちと足跡を見付けることもあります。だけどそれは、薄皮を一枚剥いだようなところに隠れていることがほとんどなのです。

 沖縄を歩いていると、台湾のことを感じることがあります。とりわけ、石垣島などの八重山地方では、そのまんまの台湾に出会ってしまうこともあります。では、台湾へ行ったらどうでしょう。やはり、沖縄を感じることがありますし、石垣島の痕跡を見付けることもあります。だけどそれは、薄皮を一枚剥いだようなところに隠れていることがほとんどなのです。深く掘りすぎると、原形をとどめなくなってしまうかもしれませんね。元の姿をとどめつつ、だけど、内側に潜むものもちゃんと見える。そんな透かし彫りの方法で、台湾と沖縄を見ていきましょう。   松田良孝のページ | Facebookページも宣伝

迪化街の都市再生前進基地

2010年にスタートしたURS

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 2015年4月に迪化街を歩いた時、バロック建築の建物をギャラリーにしたところがあった。新たな文化によって旧来のコミュニティーを再生させようと、台北市が2010年にスタートさせた都市再生前進基地(Urban Regeneration Station、URS)の取り組みである。

 台北市側が提供した施設を拠点に、民間の組織が自由な発想で文化や創造の「種」を撒いていく試みで、URSのウエブサイトによると、10カ所のURSが確認できる。

茶をアートに

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 迪化街には4カ所のURSがあり、筆者が入ったのは蔚龍藝術(Blue Dragon Art Company)という企業が運営するURS127「玩藝工場」である。「127」という数字は、この建物が迪化街一段127號にあるところからきているのであろう。

 1階のギャラリーは茶をテーマにした展示が行われており、茶葉やその包み、看板、木箱などを配置し、光と影を使いながら空間を演出している。迪化街が発展するうえで、中国茶の輸出は重要な役割を果たしたわけだから、かつての隆盛をアートという切り口でよみがえらせたことになる。

 階段を2階に上がると、そこもギャラリーになっていて、鉄道をテーマにした絵画が展示されていた。

開放的な雰囲気

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 印象的だったのは、開放的なところである。二階の窓は開けることができ、そこから通りを眺めることができるし、一階の入り口も、奥のほうまでずっと見通せるようになっている。自由な発想が行き交う様子を象徴しているかのようだった。

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www.urstaipei.net