こういうことをやってくれるから、与那国町は嫌いになれない。
先日自宅の郵便受けを見ると、与那国町役場からの封書が届いていて、「御礼」という文字。切手には与那国郵便局の風景印付きである。
中を見てみると、2015年9月に与那国を襲った台風21号に対する義援金への礼状だった。筆者は所属する組織の呼びかけに応じて少額を寄付しただけだが、自宅に封書が来たということは、町役場は可能な限り、寄付した個人に礼状を送っているということになるだろう。
12月18日付の「八重山毎日新聞」1面によると、町役場に寄せられている義援金は12月16日までに366件合わせて2890万円。筆者のような場合には、所属する組織として1件となるのだから、寄付した人の数は366人をはるかに超える。
礼状の送付作業には大変な労力が必要なはずだ。相手の人数にかかわりなく、そういうことをちゃんとやるのが与那国町のいいところだと思う。手間と労力、それに切手代も被災者支援に当てるべきだという意見もあるだろう。それも正論だが、筆者にはこのやり方も好ましく感じられる。台風被害という災いから、人のつながりという福を増やすことができそうに思えるからだ。