台湾沖縄透かし彫り

沖縄を歩いていると、台湾のことを感じることがあります。とりわけ、石垣島などの八重山地方では、そのまんまの台湾に出会ってしまうこともあります。では、台湾へ行ったらどうでしょう。やはり、沖縄を感じることがあり、かつて石垣島から移り住んでいった人たちと足跡を見付けることもあります。だけどそれは、薄皮を一枚剥いだようなところに隠れていることがほとんどなのです。

 沖縄を歩いていると、台湾のことを感じることがあります。とりわけ、石垣島などの八重山地方では、そのまんまの台湾に出会ってしまうこともあります。では、台湾へ行ったらどうでしょう。やはり、沖縄を感じることがありますし、石垣島の痕跡を見付けることもあります。だけどそれは、薄皮を一枚剥いだようなところに隠れていることがほとんどなのです。深く掘りすぎると、原形をとどめなくなってしまうかもしれませんね。元の姿をとどめつつ、だけど、内側に潜むものもちゃんと見える。そんな透かし彫りの方法で、台湾と沖縄を見ていきましょう。   松田良孝のページ | Facebookページも宣伝

曽根春子さん宅の旧正月

家屋敷の神へ

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 旧暦の大晦日に当たる2016年2月7日、石垣市平得に住む台湾人の曽根春子さん(1941年生)宅では、ご自宅の出入り口の真正面に豚足や卵などの煮物と線香、白いご飯を供えていた。家屋敷の神様へのお供えなのだそうである。

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 筆者が訪問したのは午後5時半前。曽根さんは10分ほどするとポエを投げて神意を確かめ、神銭を燃やして儀式を終えた。

大勢で食べる

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 ご自宅の中にはお仏壇があり、夫君などの位牌がある。その前には料理が盛大に供えてある。曽根さんは孫1人との2人暮らしなので、家族で食べきれるものではない。旧正月は、さらには旧盆にも、やはり台湾からやってきて石垣島で暮らす親せきや、筆者のような知人を呼んでにぎやかに食するのである。

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 こうすることは曽根さんにとって満足のいく年越しの在り方であり、曽根さんが台湾で幼いころからやってきた習わしにのっとった振る舞いなのである。

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