台湾北東部の宜蘭県蘇澳鎮にある漁港、南方澳で、サバをPRする祭りがあると聞いて見学してきました。蘇澳鎮は沖縄県石垣市の姉妹都市ということもあり、何度か取材に訪れており、「サバ祭り」の名前もよく目にし、耳にしていましたが、ようやく参観する機会に恵まれました。
巨大なサバの飾り物が港の岸壁を進む
=写真はいずれも2017年10月7日午後、台湾宜蘭県蘇澳鎮の南方澳で撮影
2017年の祭りは10月7、8日に行われ、私は7日に行ってきました。呼び物のパレードは午後に行われ、おおむね南方澳漁港の岸壁に沿うように約2キロのコースを練り歩きました。南方澳といえば、金(きん)の媽祖像で知られる南天宮が有名ですが、パレードの列は南天宮を通過するときにはちゃんとあいさつをしていき、港町ならではの光景となりました。なにせ、媽祖は航海安全の神なのですから、素通りしていくわけにはいきません。
三輪自転車を台車にしてマンタが行く
イベントの主役はサバですが、マンタ(オニイトマキエイ)やカジキなどお馴染みの魚をかたどった飾り物も登場しました。カジキの漁に用いられる「突き棒船」の大型模型には、サバの飾りがたくさんぶら下げられ、注意してみないとそれが突き棒船だとは分からないほどでした。
突き棒船の模型はサバで「大漁」
女性たちが自転車でPR
南方澳は、日本統治期の1923(大正12)年に漁港が整備された後、これを拡大していきながら現在の規模に広がり、台湾有数の漁港に名を連ねています。台湾東部の花蓮や台東などと台北の間を行き来する台湾の国内路線に乗ると、南方澳を上空から眺めることができることがありますが、そんなときには三本指の熊手のように広がった船溜まりのユニークな形を確かめることができます。
金媽祖で知られる南天宮の前で幟旗がぐるぐると回っていた