台湾沖縄透かし彫り

沖縄を歩いていると、台湾のことを感じることがあります。とりわけ、石垣島などの八重山地方では、そのまんまの台湾に出会ってしまうこともあります。では、台湾へ行ったらどうでしょう。やはり、沖縄を感じることがあり、かつて石垣島から移り住んでいった人たちと足跡を見付けることもあります。だけどそれは、薄皮を一枚剥いだようなところに隠れていることがほとんどなのです。

 沖縄を歩いていると、台湾のことを感じることがあります。とりわけ、石垣島などの八重山地方では、そのまんまの台湾に出会ってしまうこともあります。では、台湾へ行ったらどうでしょう。やはり、沖縄を感じることがありますし、石垣島の痕跡を見付けることもあります。だけどそれは、薄皮を一枚剥いだようなところに隠れていることがほとんどなのです。深く掘りすぎると、原形をとどめなくなってしまうかもしれませんね。元の姿をとどめつつ、だけど、内側に潜むものもちゃんと見える。そんな透かし彫りの方法で、台湾と沖縄を見ていきましょう。   松田良孝のページ | Facebookページも宣伝

春節直前の台北を歩く

祖先を祀る廟 

 2020年の春節は1月25日。その直前の週末となった1月19日の日曜日に台北市大安区を歩いてみた。ほんとうは、ある廟を参観するつもりでいたのだが、準備不足もあって空振り。MRTの六張犁駅に向かって路地をあてずっぽうに歩いてみたところ、なにやら掃除をしている人たちの姿が目に入った。

 ご先祖様を祀った廟の大掃除をしているのだとのこと。大みそかの晩から拜拜をして、そのまま春節を迎える習わしなのだそうだ。祠は日本統治期の1910年代に建てられたもので、築年数は約100年。中にあるものを外に出してほこりを落としていたので、内部に広がる時代がかった空間を隅々まで拝見することができた。

 

春節を前に祀廟の大掃除をする人たち(動画)

=2020年1月19日、台北市大安區で松田良孝撮影

春聯のオリジナル商品に出合う

 

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春聯を売る店

=2020年1月19日、台北市信義區で松田良孝撮影

 

 

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相変わらずにぎわっている

=2020年1月19日、台北市信義區で松田良孝撮影

 

 続いて、MRTで永春駅まで行き、信義区の虎林市場へ。ビーフンと豆干の昼飯にありついた後、ぶらぶらする。

 

ビーフンと豆干の昼食はこちらの極短動画で=2020年1月19日、台北市信義區で松田良孝撮影

 

 

 歩くというより、挑むといったほうがぴったりの雑踏。おめでたい文字を美しく書いた春聯など旧正月用の飾り物を売る店に、人波を泳いでようやくたどり着いた。オリジナル商品を用意している春聯屋さんも発見し、お手製の看板を撮らせてもらった。

 

 

パインは縁起物

 

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店先に並ぶ春聯。時季ものとして販売している

=2020年1月19日、台北市信義區で松田良孝撮影

 

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店員に「食べるものではないよ」と言われた

=2020年1月19日、台北市信義區で松田良孝撮影

 

 そのまま歩いて、松山奉天宮。参道沿いに続く商店街をチェックしていく。すぐそばに台北101がそびえ、上のほうは靄がかかってきょうは見えない。トレッキング(虎山親山歩道?)から戻ってきたらしきグループが通り過ぎていき、雑然感に拍車がかかる。春聯屋は2、3軒目にしたが、どちらも手作り感のある素朴さだった。専門店ではなくあくまで期間限定といった形(なり)で商売をしている。果物屋の一角には、シンプルかつ丁寧な飾り付けを施したお供え用のパイナップルがあった。

 「食べるものではないよ」

 と店員さん。私が買うつもりでいるものと思ったのかもしれない。何枚かシャッターを切らせてもらい、後山埤駅から帰った。

 

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