祖先を祀る廟
2020年の春節は1月25日。その直前の週末となった1月19日の日曜日に台北市大安区を歩いてみた。ほんとうは、ある廟を参観するつもりでいたのだが、準備不足もあって空振り。MRTの六張犁駅に向かって路地をあてずっぽうに歩いてみたところ、なにやら掃除をしている人たちの姿が目に入った。
ご先祖様を祀った廟の大掃除をしているのだとのこと。大みそかの晩から拜拜をして、そのまま春節を迎える習わしなのだそうだ。祠は日本統治期の1910年代に建てられたもので、築年数は約100年。中にあるものを外に出してほこりを落としていたので、内部に広がる時代がかった空間を隅々まで拝見することができた。
春聯のオリジナル商品に出合う
続いて、MRTで永春駅まで行き、信義区の虎林市場へ。ビーフンと豆干の昼飯にありついた後、ぶらぶらする。
歩くというより、挑むといったほうがぴったりの雑踏。おめでたい文字を美しく書いた春聯など旧正月用の飾り物を売る店に、人波を泳いでようやくたどり着いた。オリジナル商品を用意している春聯屋さんも発見し、お手製の看板を撮らせてもらった。
パインは縁起物
そのまま歩いて、松山奉天宮。参道沿いに続く商店街をチェックしていく。すぐそばに台北101がそびえ、上のほうは靄がかかってきょうは見えない。トレッキング(虎山親山歩道?)から戻ってきたらしきグループが通り過ぎていき、雑然感に拍車がかかる。春聯屋は2、3軒目にしたが、どちらも手作り感のある素朴さだった。専門店ではなくあくまで期間限定といった形(なり)で商売をしている。果物屋の一角には、シンプルかつ丁寧な飾り付けを施したお供え用のパイナップルがあった。
「食べるものではないよ」
と店員さん。私が買うつもりでいるものと思ったのかもしれない。何枚かシャッターを切らせてもらい、後山埤駅から帰った。