台湾沖縄透かし彫り

沖縄を歩いていると、台湾のことを感じることがあります。とりわけ、石垣島などの八重山地方では、そのまんまの台湾に出会ってしまうこともあります。では、台湾へ行ったらどうでしょう。やはり、沖縄を感じることがあり、かつて石垣島から移り住んでいった人たちと足跡を見付けることもあります。だけどそれは、薄皮を一枚剥いだようなところに隠れていることがほとんどなのです。

 沖縄を歩いていると、台湾のことを感じることがあります。とりわけ、石垣島などの八重山地方では、そのまんまの台湾に出会ってしまうこともあります。では、台湾へ行ったらどうでしょう。やはり、沖縄を感じることがありますし、石垣島の痕跡を見付けることもあります。だけどそれは、薄皮を一枚剥いだようなところに隠れていることがほとんどなのです。深く掘りすぎると、原形をとどめなくなってしまうかもしれませんね。元の姿をとどめつつ、だけど、内側に潜むものもちゃんと見える。そんな透かし彫りの方法で、台湾と沖縄を見ていきましょう。   松田良孝のページ | Facebookページも宣伝

“母校”再訪

アジア太平洋戦争の末期に行われた台湾疎開。その体験者が、台湾で一時期通っていた学校を訪問しました。準備に、解説にと、地元のみなさんがご協力くださいました。いわゆる「沖縄戦」の、欠くべからざる断面です。

読書のコーナー

蘇澳から出発! 蒸気機関車のイベント列車

宜蘭線の部分開業から100年を記念して、蒸気機関車が引っ張るイベント列車が運行した 冬山駅 (写真はいずれも2019年6月4日午後、松田良孝撮影) 台湾の北東海岸を走る宜蘭線を蒸気機関車が引っ張るイベント列車が走るというので乗りにいってみました。ただ…

台湾で今川焼を売った

台湾での体験を語る平良つる子さん。左は長女の国吉和子さん 2019年4月4日午後、那覇市泉崎の平良さん宅で松田良孝撮影 幼い長女のためにあつらえた靴。 表に干しておいたはずなのに、なくなっている。 おや? お向かいの子の足元の見てみると、長女の靴だ。…

「海がきれい」だけじゃない  沖縄と澎湖は似ています

発泡スチロールを使ったボートに腰掛けてみたところ、ちゃんと乗れた! 馬光市の文光中学からエコクラブのメンバーが参戦 海岸には材料になるものがごみとして大量に漂着しており、必要な部品はすぐに調達できてしまう (写真はいずれも2019年4月14日、台湾…

台湾澎湖で気付いたこと

「島々」は似ている 風がよっぽど強いようだ。畑の中に石積みを築き、風よけにしている 2019年4月15日、台湾馬公市風櫃で松田良孝撮影 南西諸島の一番端にある沖縄県八重山地方は、有人と無人合わせて32の島からなる島嶼地域です。主島の石垣島は、那覇から…

十六日祭は八重山独特か

沖縄の伝統的な墓参りの風習「十六日祭」に合わせて、 台湾系の人が墓にお供えをするケースも珍しくない =2013年2月25日、沖縄県石垣市の台湾同郷之公墓(松田良孝撮影) みんなで墓参り 沖縄や奄美には旧暦1月16日に墓参りをする「十六日祭」という風習が…

基隆・和平島で街歩き

台湾基隆の八尺門にある阿根納造船所跡 =2019年3月9日午前、松田良孝撮影 2019年3月9日午前10時から台湾島に隣接する基隆市の和平島を歩くツアーがあり、参加してきました。和平島は、沖縄出身の漁師がたくさん暮らしていたエリアで、沖縄台湾関係を考える…

2018年に台湾で撮影したMVは?

2018年に台湾で撮影したMVは8作品。九份は撮影場所として好まれた場所のひとつ 2017年11月28日、松田良孝撮影 日本のアーティストが台湾でミュージックビデオ(MV)を撮影した楽曲は、2018年には8点となり、前年の3点を大幅に上回りました。沖縄県立芸術大学…

台湾留学の沖縄出身学生が交流会を企画(2019_02_17)

台北市大安区和平東路一段の台北師範大学 2016年8月24日、松田良孝撮影 沖縄から台湾に留学に来た学生と知り合いになることは珍しいことではなくなりました。日本の大学の交換留学制度を利用して台湾の大学で勉強する学生はこれまでにもいましたが、最近は高…

クバラン族のバナナ糸

クバラン族のイパヤさんの手元。自分で巻いたバナナの糸玉を持つ 2018年10月16日 台湾花蓮県豊浜郷の新社香蕉絲工坊で松田良孝撮影 台湾の先住民族(原住民族)にクバラン族という人たちがいますが、その長老のおひとりがなくなりました。生前、バナナの繊維…

イコールな関係とは? 動画をSNS拡散

いい日差し。モスクの屋上に洗濯物が並んでいた。 2018年11月18日、宜蘭県蘇澳鎮・南方澳で松田良孝撮影 台湾の港町にある祈りの場を訪ねた時の写真です。男性がかぶる帽子が棚に並んでいました。宜蘭県蘇澳鎮の南方澳にあるモスクで撮影した一コマです。男…

世の中、急には変わらないが・・・

私からは、オレンジ色の光が見えるらしい。10年ぐらい前、特別支援学校に勤務している知人からそう言われて、うれしくなった。 その学校に通っていた男子生徒のT君は、多くの場合は人とうまく接することができないのだが、例外的に何人かの人にはにっこりと…

台湾で鉄道事故

2018年10月21日午後、台湾で深刻な鉄道事故が起きました。台東行きのプユマ号が新馬駅付近(宜蘭県)で脱線・転覆したのです。筆者もよく通る場所、よく世話になっている列車による痛ましい事故に、落ち着かない気分になりますが、あえて冷静になって備忘録…

台湾の「白色テロ」と与那国島

与那国島から台湾までは最短で111キロ。西崎から夕陽を望む =2010年2月23日、松田良孝撮影 台湾のいわゆる「白色テロ」についてお話をうかがうたびに思うのは、民主主義の成り立ちには、その土地それぞれの記憶が深くかかわっているということです。同じ選…

黒潮がつなぐ八重山・台湾

世界有数の海流としても名高い黒潮があるのに、八重山と台湾との間に交渉があったとみられるのはなぜなのか。人が特別な技術や道具を駆使したり、動物が特異なスキルで渡っていったりということならいざ知らず、自走手段のない「モノ」が黒潮をどちらかとい…

「台湾引き揚げ」が静かなブームに

戦争体験の階層化を越えられるか 戦後、台湾にいた沖縄関係者が引き揚げに関する話し合いに使っていた建物。屋根の一部が崩れている =2017年3月2日午前、台北市南昌路一段 観光客もよく訪れる台北市内の南門市場の裏手に、屋根の一部が崩れ落ちた2階建ての…

台北地下街って、どんなの場所?

台湾を深く知りたければ・・・ ゲームやアニメ、フィギュアなどを扱うフリマ=2018年7月7日、台北地下街 台湾向けにも積極的に展開する沖縄の商社、新垣通商(本社那覇市、新垣旬子代表取締役社長)が2017年6月にアンテナショップ「日本情報発信館」(E∞JAPA…

翻訳本で沖縄を「自己紹介」(2)

アジア視野に動き出した県産本 県産本ネットワークは台北国際ブックフェアに向けて、あらためて県産本30冊のリストを作成している。たとえば、料理に関する本としてジャンル分けされた4冊(伊是名カエ「okinawa soup」東洋企画、はやかわゆきこ「…

翻訳本で沖縄を「自己紹介」(1)

アジア視野に動き出した県産本 2018年の台北国際ブックフェアに参加した沖縄の県産本関係者ら=2月6日、台北市 okiron.net 那覇市の国際通りに近い第一牧志公設市場の前にある「市場の古本屋 ウララ」という小さな古書店に、外国語の翻訳本を持って台湾から…

228事件と沖縄・八重山

www.nippon.com www.nippon.com 台湾の228事件。 2018年も2月28日の追悼式典に合わせて、沖縄関係者が台湾入りしました。沖縄からはすでに1人が犠牲者として認定を受けていますが、これとは別に与那国出身の2人が認定を求めているところです。今…

在台湾沖縄県人会の会長は石垣島出身

台湾に研修にきた八重山商工高校の生徒たちが在台湾沖縄県人会の黒島真洋会長(前列左2人目)らと会食 前列中央はきいやま商店の3人 =2018年1月26日、台北市内で松田良孝撮影 在台湾沖縄県人会の会長を務めている黒島真洋さんが石垣島出身ということもあり…

間もなく春節です。

台北市の信義区虎林街という通りに、店が建ち並んでいるエリアがあります。春節が近づいているということもあり、少しだけのぞいてきました。 40秒余りの動画です。

台湾留学説明会in那覇

沖縄県内の高校生向けに台湾への大学進学に関する交流会を計画している沖縄出身の留学生たち 左から新垣沙也加さん、宮城里奈さん、諸見里瑳季さん 2017年12月6日、台北市内(松田良孝撮影) 台湾で暮らしている八重山・沖縄の出身者はかなりたくさんいると…

南大東島への出稼ぎ体験が絵本になる!?

台湾嘉義県の農村部に位置する大林鎮上林地区から多くの人たちが復帰前の南大東島へ出稼ぎに行っていたことはすでに本ブログで紹介していますが、そのいきさつをテーマにした絵本の制作が進められています。 台湾から南大東島への出稼ぎをテーマにした絵本を…

台湾の農村を走るシュガートレイン

ことしも台湾の雲林県でシュガートレインが走っています。虎尾の街をとことこと走る姿に、サトウキビを積み込む様子や沿線の表情を加えて、4分ほどの動画にまとめました。 製糖業の盛衰は人びとの暮らしと密接に関連しています。この点は、沖縄も台湾も同じ…

「日本」で出合った沖縄

2017年暮れ、芸術を通して台湾向けに日本を紹介するイベント「日本芸術文化展」(台日美術交流会主催)が開かれ、武道と木彫で沖縄関係者が登場する場面がありました。 「日本と台湾」というくくりで開かれるイベントは日本でも台湾でもそれほど珍しくな…

墨田の職人×台湾デザイン

台湾と東京墨田区の町工場がデザインをキーワードにコラボしています。朝日新聞社のニュース週刊誌「アエラ」への寄稿を紹介しながら、取材で出会った墨田区の人たちや、デザインを想起させる台湾の「場」を紹介します。 末尾に動画のおまけがあります。たっ…

沖縄のラーメン店「通堂」が台湾に進出

沖縄と台湾の関係をラーメンから読み解くという点がこの記事のポイントではありますが、取材をしていて面白かったのは台湾の人たちがラーメンをどんなふうに食べているのかという点。 headlines.yahoo.co.jp headlines.yahoo.co.jp 記事になった部分を加修正…

台湾で沖縄の「組踊」

沖縄県立芸術大学の公演が台湾の国立台北芸術大学で行われるのは、2016年10月に次いで2度目となりました。「組踊」が披露されるのは今回が初めてとなります。プログラムを通じて、地謡がすべて女性というのは大変珍しいことだそうです。新しい試みを、台湾の…