恒例行事
石垣島に住む台湾系の人たちがそろって墓参を行う清明節の恒例行事が2016年4月3日、石垣市字石垣にある台湾同郷之公墓で行われました。台湾系の人がすべて参加するというわけではありませんが、それでも100人を超える人たちが集まり、独特の細長い線香を捧げたり、供物をしたりしていました。
墓がなくても
興味深いのは、同じ台湾系だという理由で、墓のない人も参加していたこと。知り合いの墓をあっちこっちと渡り歩き、台湾語と日本語、北京語をちゃんぽんにして言葉を交わしているのです。こうした人たちの姿からは、単なる墓参ではない、コミュニケーションのための場として清明を読み取ることができます。
言葉のやり取り
これは墓のある人にもいえます。歩いて10分ほどしか離れていないところに自宅をある80代のおばあさん2人が、手を握り合い、顔をくつけるようにしておしゃべりを続けているところにも出会いました。清明の墓参にやってくることで、なかなか会うことができない知り合いに会えるということです。
世代間のコミュニケーションもありました。台湾生まれでなければ、お供えの仕方もあやふやで、1世のお年寄りたちの指南を受けることになるのです。長年培ってきた習わしの受け渡しです。
よくあることがここでも
こうしてみると、台湾系の人たちが何か特別なことをやっているわけではなく、お墓参りのときならではの、その時にしかできない言葉のやり取りという、よくあることがここでも繰り広げられているということなのです。