台湾沖縄透かし彫り

沖縄を歩いていると、台湾のことを感じることがあります。とりわけ、石垣島などの八重山地方では、そのまんまの台湾に出会ってしまうこともあります。では、台湾へ行ったらどうでしょう。やはり、沖縄を感じることがあり、かつて石垣島から移り住んでいった人たちと足跡を見付けることもあります。だけどそれは、薄皮を一枚剥いだようなところに隠れていることがほとんどなのです。

 沖縄を歩いていると、台湾のことを感じることがあります。とりわけ、石垣島などの八重山地方では、そのまんまの台湾に出会ってしまうこともあります。では、台湾へ行ったらどうでしょう。やはり、沖縄を感じることがありますし、石垣島の痕跡を見付けることもあります。だけどそれは、薄皮を一枚剥いだようなところに隠れていることがほとんどなのです。深く掘りすぎると、原形をとどめなくなってしまうかもしれませんね。元の姿をとどめつつ、だけど、内側に潜むものもちゃんと見える。そんな透かし彫りの方法で、台湾と沖縄を見ていきましょう。   松田良孝のページ | Facebookページも宣伝

八重山

日本≒沖縄≒八重山≒石垣

台湾の高校生に「八重山の台湾人」を語る 台中文学館を訪れ、ポーズを決めて写真に収まる若者たち =2016年9月10日午後、台中市で松田良孝撮影 「八重山毎日新聞」の2016年9月19日付9面にドキュメンタリー映画「海の彼方」に関する記事を書きました。台中の…

次々に登場するタンキー 台湾の旧盆をみる

「ご飯を食べなさい」の気持ち タンキーの言葉を授かりにやってきた人が祖先に捧げる紙銭を持ってやってくる。 タンキーの旗に「玄天上帝」とあるのは神の名前で、タンキーはその神意を伝える=28日 「タンキー」と呼ばれるシャーマンを何人も、身近なところ…

台湾人ライターの目

台湾からやってきたライターや編集者、旅行関係者、映画宣伝担当者といった面々と一緒に石垣島を回ってきました。彼らは2016年8月27日から8月31日までの5日間、八重山を回ったのですが、私は8月30日だけお付き合いしました。 台湾のライターや編集者がペンギ…

15年ぶりの楽華夜市で夕飯に臭豆腐を食う(位置情報あり)

気の毒な評価 臭豆腐を食わせる店=2016年8月24日夜、台湾・新北市永和区の楽華夜市で松田良孝撮影 「台湾の食べ物はどれもおいしいけど、これだけはダメ」という人が忌々しそうな顔をして挙げるのですから、「臭豆腐」にしてれば、迷惑このうえないことでし…

移民村に定着した旧盆の伝統 石垣島・明石のエイサー(位置情報あり)

再来年は60周年 明石のエイサーに登場した道化役の「京太郎」(キョンダラー) =2016年8月16日、石垣市明石で松田良孝撮影 八重山では、旧盆の中日は明石のエイサーと決まっており、今年も見てきた。ステージであいさつをする人たちは「素晴らしい伝統」と…

台湾映画「太陽の子」

すでにさまざまなところで話題になっている作品ですが、「太陽の子ウィーク」なるものがあるのだそうです。9月10日から19日まで。台湾映画「太陽の子」(原題「太陽的孩子」)は2015年10月に台湾で観ましたが、こんな作品ならいつかまた観てみたいと思ってい…

八重山の台湾人の十三回忌

曽根平治さんのこと 故・曽根平治さん、春子さん、長男の故・財得さん(左から) =2002年4月15日正午ごろ、石垣市大川の曽根商店で松田良孝撮影 遅めの夏休みを取って船で台湾へ向かおうと考えていた2004年10月、ちょうど台風24号が発生してしまい、急遽、…

いつまで「隠れ」てるの?

石垣・八重山・沖縄・日本 台湾のドキュメンタリー映画「海の彼方」で取り上げられた玉木玉代さん(左) =2016年7月24日、石垣市大川の砂川商店で松田良孝撮影 headlines.yahoo.co.jp 「沖縄の台湾移民」という見出しではなく、「石垣の台湾移民」や「八重…

李登輝石垣訪問から見えた〝距離〟

「オバマの広島訪問と同じ」 台湾農業者入植者顕頌碑に足を運び、石垣在住の台湾出身者と握手する台湾の李登輝元総統 =2016年7月30日、沖縄県石垣島の名蔵ダムで松田良孝撮影 台湾の李登輝元総統(93)は2016年7月30日、初めて訪れた沖縄県石垣島で名蔵ダム…

山本芳美著「イレズミと日本人」(平凡社新書)を読む

どこでもご飯を食べる人たち 台湾を初めて訪れるという知人とともに台湾の高雄から新幹線を利用した時のこと。ちょうど昼飯時だったこともあり、列車の出発を待つ人たちが食事をする光景が駅構内のあちこちでみられたのだが、知人は「ほんとうに、どこでもご…

八重山の大自然で台北を覆いつくしてみる

面積は互角 人口はけた違い 収穫を控え、穂を垂れる西表島の米(2016年6月4日、松田良孝撮影) 台北が全部森に覆われていたとしたら…… そんな空想の世界をリアルに体験できるのが八重山諸島にある西表島だ。台北市と比較してみよう。 西表島の面積は289.30平…

亜熱帯の森に潜む台湾人の息遣い

西表島の大自然 樹木が絡みついているものの、崩れずに残っているトロッコレールの支柱 (2016年6月3日、西表島の宇多良炭坑跡、松田良孝撮影) 西表島といえば、マングローブ林やイリオモテヤマネコ、カンムリワシなどに代表される亜熱帯の大自然が観光客を…

粽と台風

破れたり裂けたりする前に収穫 粽を包むのに使うマチクの葉を手にする浅野文雄さん (2016年7月4日、石垣市嵩田の自宅で、松田良孝撮影) 「台風が来てるから、早めに取っておいたんだよ」と、石垣島に住む台湾系二世の浅野文雄さん(66)が戸棚から取り出し…

八重山台湾ツアーのエッセー掲載

本ブログのメインテーマといってもいい八重山と台湾の関係をそのまま旅するツアーについて、エッセイがアップされています。執筆者からご連絡をいただきました。 次の写真をクリックしてみてください。 無縁仏などを祀る台湾の廟。 2016年6月の八重山台湾ツ…

パインをめぐる八重山と台湾のつながり

八重山に住む台湾人を取り上げたドキュメンタリーフィルム「海的彼端」のウエブにコラムを執筆しました。パインをめぐる八重山と台湾のつながりがテーマです。 日本語の原文をご紹介します。 <八重山のパインアップルは台湾から> 家庭でも職場でも 陽気が…

小さな湾、急峻な島―固有名詞軽視(?)の台湾地図

沖縄県公文書館で開かれている所蔵資料展「地図と絵図」 2016年6月17日、松田良孝撮影 沖縄県公文書館を訪ねたところ、「地図と絵図」というタイトルで所蔵資料展をやっていた。沖縄県公文書館が所蔵する地図で沖縄の描かれ方を表現しており、小生は台湾と沖…

旧総督府前で集合写真

時事通信が配信 台湾総統府庁舎前で記念撮影する八重山台湾ツアーの参加者 (台北市、2016年6月5日、九州経済調査協会提供) 2016年5月30日の記事で決意表明しておいた通り、八重山と台湾とを結ぶツアーで台湾総統府に立ち寄った。 taiwanokinawa.hatenablog…

西表炭坑に台湾人の足跡を訪ねる

リユースの弁当箱 カヌーに乗る前に黒紫米のおにぎりなどで腹ごしらえ (2016年6月3日、竹富町西表島の浦内川観光、松田良孝撮影) 西表島西部の浦内川河口付近からカヌーに乗り込み、支流の宇多良(うたら)川へ向かう前、カヌーステーションで腹ごしらえ。…

八重山の台湾人と初めて出会ったころのこと

媽祖ってなんだ こんな集まりで感謝状をいただきました (2016年5月31日、石垣市新栄町の中華料理店「金華園」で、松田良孝撮影) 1993年2月に現在の勤め先で取材・執筆をするようになって1年余りたったころ、石垣島に媽祖廟(まそ・びょう)をつくりたいと…

時間と空間を超える旅(動画あり)

嵩本安意さんの体験をたどる (2016年6月2日、石垣市字新川の自宅で、松田良孝撮影) 八重山と台湾を結ぶツアーが2016年6月2日から6日まで行われ、参加者10人が竹富島で1泊、西表島で1泊、台北で2泊するツアーを楽しみました。 初日の6月2日には、植民地台湾…

八重山と水牛

八重山に住む台湾人を取り上げたドキュメンタリーフィルム「海的彼端」の公式サイトにエッセーを書きました。原文(日本語)は後段に貼ってあります。 水牛車で知られる竹富島には2016年6月2日に行ってきたばかり。もちろん、水牛車にも乗りました。水牛=八…

八重山の台湾人が自らについて語るということ

漂流の歴史 米寿の祝いで、曾孫から花を受け取る玉木玉代さん (2015年3月28日、石垣市八島町の「北京飯店」、松田良孝写す) 八重山に暮らす台湾人の長老、玉木玉代さんの米寿のお祝いが2015年3月28日に石垣島で開かれた。玉木さん一家を追った台湾のドキュ…

八重山・台湾の新しい風景

6月2日、ツアー開始 石垣島や竹富島と台湾の台北などを八重山台湾ツアーが2016年6月2日に石垣島からスタートするのを前に、ツアーでお世話になる島本哲男さんのマンゴー農園にお邪魔しました。1カ月前に訪れた時にはせいぜい親指の先ぐらいしかなかったマン…

「沖縄籍証明書」を寄贈

幸せ・誇り・名誉 石垣英和さんについて語る妻の良さん(2016年5月17日、石垣市字石垣の自宅で) 2016年1月18日に亡くなった石垣英和さん(享年86)の妻、良さん(82)と話していると、「ミョウガ」という言葉がたびたび出てきます。どう訳したらいいのだろ…

梅雨入りのネコども―猫の続報の続報の続報の続報の

小雨でも毛づくろい 九州沖縄は16日に梅雨入りし、わたくしの自宅周辺もぱらぱらと降っている。ことしはカラ梅雨ではないのかと期待したくなるが、サトウキビの収穫がなんとまだ終わっていないとなると、あまり期待してもいけないのかと思う。 いつもの場所…

食べ物の写真は撮るべきか

クロマグロの寿司を食す 石垣島ではクロマグロ(本マグロ)のシーズンが本格化している。ゆうべ(2016年5月15日)、勤め先の仲間と食事をする機会があり、クロマグロの寿司を食べることができた。冷凍ではなく、地のクロマグロをそのまま食べることができる…

ナッチャン・レラが花蓮から石垣へ

カギは農産物か 石垣港に到着した「ナッチャン・レラ」(2016年5月14日夕) 高速フェリー「ナッチャン・レナ」(1万0712トン、台湾名・麗娜輪)が2016年5月14日夕、台湾の花蓮港から石垣港に到着し、百人規模の訪問団が石垣入りした。ことしは10回程度のチャ…

中国語の「ひらがな」を学ぶ

「注音符号」 台湾で使われている発音記号「注音符号」を勉強するチャンスがあった。注音符号は中国語のひらがなのようなもので、漢字の読みを示した記号。台湾へ行くたびに「これが分かれば、もっと台湾が楽しくなるはず」と思っていながら、勉強をサボって…

港をじっくりと

漁船もクルーズ船も 新しいレンズが届いたその日、試し撮りはクルーズ船が入る日に港でと決めていた。離島との間を結ぶ高速船も、漁船も、とにかく船が盛んに行き来する光景はいいものだ。外回りの時間が減ったからということではなく、港に来てじっくりとフ…

姿を消すには8秒あればいい

絵みたいなネコ プールから戻る途中でいつも前を通っている建物のところで、信号が赤になった。自転車を止めて青信号を待っている間もだるくて、顔の左側に異状を感じて振り向いた。ネコが2匹、ぼやけたような姿をしてなにものかを引っ掻くようなしぐさをし…